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未だ聴こえない音楽の制作日誌-38- 事件は現場で起こっている

新しく手をつけた楽曲がなかなか進まない。

マイナーコードで、変な音をいっぱい使ったゆっくりめの不思議な曲にしようと考えていたが、それがどうにもいかず、いつの間にかディスコテイストのある曲になっていた。

これはこれでアルバムに入っていたら面白いかもしれないので、もう少し練ってみようかと思ったところで今日の制作は終了した。

曲の展開の仕方は、スタジオ録音よりもライブ音源やDJミックスを参考にすることが多い。

「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起こってるんだ!」(踊る大捜査線 1997)は音楽にも当てはまると思う。

計算されたスタジオアルバムももちろん良いのだが、その瞬間のアイデアが爆発したり、ピンチをチャンスに変えるような奇跡だったりが詰まったライブ音源は聴いていて本当に面白い。

気付けば、(懐古主義は本当に嫌いなのだが) 先日の解散発表の衝撃を受け、その事実を受け入れられないでいた Daft Punk の ALIVE 2007 をずっと聴いてしまっていた。

これは衝撃的だった。

当時、確かにDaft Punkの音楽は好きだったが、(天邪鬼なので)周囲ほど熱狂することのなかった私だが、このライブ音源にはものすごく熱狂した。Daft Punkの魅力はまさに「現場」にあると思った。

(エレクトロニックライブの中ではどちらかというとかなり計算され、再現性の高いライブではあるが、ちゃんと現場の空気で演奏する瞬間もある。大掛かりなセット、音楽にリンクした照明は現在のEDMライブの先駆け的でもあった。)

なんといっても自分たちの曲を混ぜていって一つのライブを作る。

(この手法をグラミー賞を受賞した時のパフォーマンスでもきっちり行っているのも感動した。)

その自分たちの曲が一番新しいアルバムだけじゃなく、1st、2nd、3rdとその時点の全アルバムから。

しかもどの瞬間にも無理がない。これはもう「何十年も前から計算していたんですか?」と聞きたくなる。やっていることは理解できるのだが、自分の曲でやろうとするととても難しい。

挑戦しようとはしたが、無理だった。音階やテンポなどに曲作りを始めた時からルールを設けていないと出来ないのではないだろうか。

書いていて思い出したが、実はライブ盤が正式にリリースされる前に、インターネット上にはこの音源が出回っていて、音の悪いその音源をダウンロードして何度も何度も聴いていたので、正式にリリースされて音の良い音源が出た時は本当に嬉しかった。当時はこうした海賊版mp3が出回り始めた頃で、そのインターネットの雰囲気も懐かしさを覚える。

…嫌いな懐古主義的な文章になってきた。なので、今日はこの辺りで。

このライブ音源を聴いていたから、制作中の楽曲も影響されたのだろうか。

まぁ、あまり考えすぎないようにしよう。

明日も音楽を作ろうと思う。

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