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未だ終わらない音楽の制作日誌-78- 過去の過ちクリーニング

アルバム制作はいよいよ最終盤。

収録予定の曲は一通り形にはなったが、音の良くない数曲を直していく作業に入っている。

音楽とは不思議なもので「音が悪いと良い曲に聴こえない」ということが起こる。「画質が悪いと良い映像に感じない」みたいな。印象の失われ方は映像より大きいんじゃないかと思うこともある。

1曲だけをずっと作っていると自覚するのはなかなか難しく、何曲か作りながらふと聴き直したりすると気付きやすい。しかし、無自覚の音の悪さが曲の「味」になっていることもあるので、これは一概には言えないのだが。全てが綺麗に作られた音楽もそれはそれで味気ない。音の面白みは悪い音も良く聴こえさせてしまうようなところにもあるのだ。

ただ、自分で作っておいて何か気に入らない曲というのは、そもそも音が悪かったりすることも多い。音が悪いというか「バランスが悪い」に近いだろうか。重要な音がハッキリ聴こえていなかったり、また逆に大きすぎたり。一度にたくさんの音が鳴りすぎて、結果的にぼやけてしまっているということもある。

そういうわけで何か「もっと良くなりそう」と感じる曲は音のバランスを見直してみるのが良い。そして同時に音を一つ一つ見直してみる。

一つ一つ注意深く聴き直してみると、実はノイズが入っていたり、余計な余韻がついていたりする。この小さなゴミの塊が積み重なって音のバランスを崩していることもあるのだ。

私は大雑把な性格なので、これで苦しむことが良くある。

勢いで曲作りを進め、なんだか音が上手く混ざらないと思って見直してみると小さいゴミがたくさん残っている。後から細かく掃除していくのは非常に面倒な作業だ。最初から気をつけていれば、こんなことにはならないのは重々承知していて、曲作りの最初の方は丁寧に取り除いているのだが、興に乗ってくると忘れてしまって、後から大きく後悔する。

今日は朝からこの細かいクリーニング作業に終始した。

過去の適当な自分に苛立ちながら、しかしこの作業をすれば音の迫力がもっと出やすくなるかもしれないという期待も持ちながら。

アルバムの完成は着々と近づいている。

明日も音楽を作ろうと思う。

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