視聴者投稿創作怪談『小さなレストラン』

これは、私の怪談を扱う配信に、視聴者の方より投稿されたお話です。





これは、ネット掲示板の怪談スレに書き込まれたお話です。
スレ主の許可を得て、こうしてまとめています。

スレ主であるAさんは、小さなレストランのフロア担当の従業員でした。近くのオフィスの社員がよく昼食を食べに来ており、オフィスが潰れたり移転したりしない限りはレストランも大丈夫だろう、とオーナーも言っていたそう。

ある日、厨房担当(以下Bさん)が葬儀のため休むことになり、代わりにオーナーが厨房に立つことになったそう。その時Aさんは、数日経てばまた元のようにオーナーがでなくて良くなる、と思っていたようです。しかし、Bさんは2週間経っても戻って来ませんでした。その頃から、常連客から「ハンバーグの肉変えた?」と質問が相次ぐようにもなったそうな。どうやら肉汁が少なくなった他、若干あっさりした味になっているらしい。

これは私の実体験なのですが、祖母の場合は死亡確認から葬儀、火葬まで3日ほどでした。これは葬儀代をすぐに準備できたからですが、遅くとも1週間ほどで葬儀は終わるでしょう。2週間も戻らないのは、あまりにも不自然です。

Aさんも不審に思ったようで、オーナーにBさんから連絡が来ていないか聞いたところ、「Bさん?そんなスタッフうちにはいないよ?」と言われたそう。しかし、たしかにBさんの制服は更衣室にあった。どうしても気になったAさんは、先月の勤務表を確認しました。そこにBさんの名前は、ありませんでした。

跡形もなく消えたBさんのことを気にしながら仕事をした次の日。レストランが、なくなっていました。閉店したわけではありません。一夜にして、建物自体がなくなったのです。街の人からしたら元々そこにはレストランなどなく、空き地だったとのこと。しかしAさんからしてみれば、突然仕事を失ったのです。 呆然と立ち尽くしていると、「あれ?A、出勤もせずこんなとこで突っ立ってどうした?」と声が。声の方へ振り向くと、レストランの常連客…と記憶しているオフィスの社員。どうやらAさんは、オフィスの社員食堂で働いていることになっているらしいのです。Aさんが持ち物を確認すると、オフィスの社員証。無職は避けられた、とAは安堵したそうな。

それから半年、現在Aさんはオフィスの社員食堂で働いているとのこと。未だにレストランでの出来事を疑問に思っているようで、レストランがあるはずの場所に時々行っているらしいです。




ペンネーム:ノボル
2022/12/17配信 https://youtu.be/tKApH0XnfHg
怖いお話募集フォーム https://forms.gle/ybMkLAd37RsCguKr8
※ご投稿内容に改行や誤字脱字修正等の加筆をしていることがあります。


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