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俳句「枕詞を母に・・・」

しろたへの老母映えたり更衣

 母は色白である。もともとの地肌が白いのか、若い頃からあまりアクティブではなく外に出ることが少なかったからなのかは分からない。まあ、いまは染みだらけの顔にはなってしまったが、母が色白であるのに気づいたのは認知症で化粧をしなくなってからだ。
 更衣の季節になった。母はもう自分で服を選ぶことは出来ないので、姉や私が毎日着る服を選ぶ。最近は介護がしやすいような服ばかり着せてしまって、母におしゃれらしいおしゃれをさせてあげられていないが、それでも色柄の多い夏服を着せると、母の色白が映えるような気がする。
 「しろたえ」は雲や雪、衣や袖などに掛かる枕詞だが、母につかいたいと思った。

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