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俳句「冬帽子」

冬帽子老母よそれはテディベアだ

 三匹のテディベアはわが家にやってきてもう三十年近くになる。まだ朧になる前の母が、大・中・小と三匹買ってきた。その頃の母曰く「いくつかあったけど、一番顔のいいのを買ってきた」そうだ。「はなはな・はてな・はち」と私が名前をつけて、今は母のお守りをしてもらっている。いや、ぬいぐるみに母のお守りは出来ないのだが、母から「私は何したらええの?」と尋ねられたとき、何もすることはないと答えるのは酷なので、「クマちゃんがやんちゃせんように、お守りしてやって」と言って、母の前に三匹のテディベアを置いておくのだ。

 もっともいまの母には、常にテディベアがテディベアに見えているわけではなさそうだ。
(母にテディベアがどう見えているか? ご興味のある方は『喜怒哀”楽”の俳介護』 http://haikaigo.com の「水洟」をご覧ください。)


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