短歌「手の平の足し算」

手の平を合はす行為は足し算の平足す平で答へは平和

　パリオリンピック酣ではあるが、その華やかな祭典の一方で、ウクライナやパレスチナで戦闘が続いていることは忘れないようにしたい。スポーツで人々が喜怒哀楽しているときに、戦争の怒りと哀しみだけを味わっている人々がいるのは気の毒でならない。

　手の平を合わせる行為、祈り・握手・拍手などは、人間の仕草のなかでも最も美しい仕草に数えられるのではないか。美しいのは、祈りも握手も拍手も、謙譲と尊敬の両方があってこそ成り立つ行為だからだと思う。

　一人ひとりが、自己を謙譲し、他者を尊敬する気持ちをもって手を合わせる。そんな足し算が世界中で行われますよう……。合掌