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短歌「おむつ交換」

もろこしを焼くごと右へ左へとおむつ替へんと母をころがす

 3年前にこんな歌を詠んでいる。「おむつ替ふ「うんと尻上げて」と言へば「うん」と尻上ぐ母は九十」

 寝ている状態でパンツ型の紙おむつを穿かすには尻を上げてもらう必要がある。この歌から3年、母は尻を上げることが難しくなった。それで今はパンツに足を通してから横になってもらって半分パンツを引き上げ、反対側を向いてもらってもう半分を引き上げるという方法をとっている。ズボン下やズボンも同じように穿いてもらうので、何度も右左と向きを変えてもらうことになる。

 このときなぜか私はとうもろこしを焼いている気分になるのだが、母にしてみれば「まな板に鯉」の心持ちだろうか。

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