俳句「蔓のゆくえ」
朝顔の幼き蔓や寄る辺なし
植物の蔓は、いかにして行き先を定めるのだろうか。例えば、南瓜や胡瓜の苗の傍に支柱を立てても、見向きもしないで違う方向に伸びたりする。昨年は西に伸びたから、今年も西に伸びるかと思いきや途中でUターンして東に引き返すなど、予測を裏切ることもある。一方で、巻き付こうと思えば巻き付けるものがあるのに、なぜか巻き付かずに、宙を漂っている蔓もある。もし、彼らに人間のような思考があって、ことばがあるなら、その訳を尋ねてみたいものだ。
新しく芽を出して、まだどこにも巻き付いていない蔓は、いかにも頼りなさげに見えるが、彼らにしたらまだ何処にでも行ける自由を楽しんでいるのかも知れない。
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