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俳句「刈田猫」

寝そべりて刈田を猫の独り占め

 稲を刈ったあとの田んぼには雀や鳩、鴉などさまざまな鳥がやって来る。私の家の隣の田んぼには、どこかの家で飼われていたものか、雉子もときどきやって来る。彼らはみな一様になんらかの食べ物を求めて、場所を移しながら刈田を啄んでいる。

 一方、猫はどこかに行く近道として刈田を通るか、そうでなければただ日だまりに寝転ぶためにやって来る。思うに、日射しの強い日などは、刈田に寝転ぶと田んぼの土がひんやりとして気持ちがいいのではなかろうか。

 猫がいるときは鳥もやって来ない。広い田んぼにたった独りごろんと寝転がって、秋の日を浴びるのは、さぞかし気持ちいいことだろう。さすがに真似しようとは思わないが……。

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