飛び出て鼻毛

マスクがつらい季節になって参りました。

子どもがいるから変な菌を持ち帰りたくないのと、7割の惰性により、なんとなくマスク生活を続けている。

「惰性でさすがにマスクは…」と言いたいほど暑くなってきたので室内以外は外しているが、もう無理かもしれない。そんな季節。

そんなマスクが守ってくれるもののひとつとして、人の視線がある。
伸び放題の髭、飛び出る鼻毛。マスクはそんなものまでも守ってくれる。

元来めんどくさがりの私にとって、特に鼻毛に関しては、マスクの恩恵に預かることが多い。

とにかく鼻毛はめんどくさい。髭は、「嗚呼そろそろ剃らないとマズイな」というのがパッと見て判断できる。
鼻毛はそうはいかない。まず飛びてていても全然気付かない。鏡をよく見ろよと言われればそれまでだが、そんなによく顔を見ないし、自分の顔はそんなに好きではない。なので鼻の穴をじーっと見たりしない。
出来れば生まれ変わったらオダギリジョーの顔になりたいと思っている(そうすれば毎日鏡を見ることが楽しくなるだろう)。
それに無表情の時は隠れているくせに、笑ったときにひょこっと出てくるやつもいるからムカつく。

会社の中では室温に合わせて付けたり外したりしている。それでも最近はほぼ1日中顎に引っ掛けて形骸化マスクとなっていることが多い。

最近、社内の打合せで対面で30分くらい話したあと、鏡でふと鼻の辺りを見ると鼻毛が飛び出ている。羞恥心が心を満たす。嗚呼めんどくさい。
微妙な距離ではあったが、もしかしたら相手は30分鼻毛を気にしながら打合せをしていたことになる。それはもはや、鼻毛と打合せしていたことと等しい。

ここまできたらもう、思い切って鼻毛を飛び出させたままでいこうと思う。
笑ってはいけない打合せ。笑ってはいけない雑談。別に営業でもないし。

大変なご苦労をかけることは申し訳ないが、相手の受け取り方ひとつのような気もする。「鼻毛が飛びてている」という事実をどう解釈し、どういう反応をするかは皆さんにお任せしたい。

白髪が増えてきた。鼻毛にも白髪が混じる。洗面所の鏡の前で白鼻毛を見つけてニヤついてる人間の顔はかなり醜かった。