アラブ飲酒詩選を読んで

ルバイヤートが良かったので、酒に溺れる詩集を読みたいと思いました
Amazonがルバイヤートを買ってる人はこの本も買っています!と言ってくれたので、買ったのですが良かったです

たまには読んで良かったところをメモしておきます
僕は愚かなので、書いていないと忘れてしまうと気がついたからです

良かった箇所は4つあったのですが、1つは忘れてしまいました

1つ目は編訳している塙治夫さんの補足が良かったこと
アラブ人は美人の顔をよく満月にたとえる。という一文は多分しばらく忘れない気がします

2つ目は作者であるアブー・ヌワースさんが生き汚かったこと
神の教えに反する飲酒について、後ろめたさがあるから余計に美味しいみたいなことを言いながら晩年は助けてくださいと詩の中で叫ぶのは清々しくて好きです

3つ目は解説が良かったこと
ルバイヤートもそうでしたが、編訳している方の作者への敬愛が見えるのは嬉しいですし、単純に時代の背景やその詩の持つ凄さが知れるのは何だか賢くなって気がします

詩ってすごいなと思いました
アブー・ヌワースさんが特にそうなのかもしれないですが、人生の全てを文字にするって壮絶です

人を好きになったら愛の詩を送って、振り向いてくれなければ中傷の詩を作る
お金が必要になれば人を賞賛する詩を書いて、お金を酒に代えてアルコールを褒め称えてる詩を作る

最近短歌を作っていて、僕の短歌は自分の中にあるものでしかないなと思います
当たり前なんですけれど、自分がかつて抱いた感情や感覚が短歌になっているだけなんです
でも、中には吐き出すのが恥ずかしい感情もありますし、アブー・ヌワースさんのような才能に満ち溢れた人間があえて自分の感情を表に出すという行為に感動します
比べるなんて烏滸がましいですけど

次は李白の詩を読もうと思います
自分が好きなものを好きな詩人って似ていて遠いから良いですね

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