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イトコと原宿に行く

何十年ぶりだろうか、原宿へ赴いた。
娘の付き添いではない。イトコと連れだって、買い物に行ったのだ。

着いてまず、原宿駅の変貌ぶりに驚いた。恵比寿かと思った。
以前は「まだ木」といった感じであったが、「ジェラルミン!」然と様変わりしていた。もちろんホームドアもある。
(ところでなぜ渋谷駅はまだホームドアを設置していないのだろうどこよりも人が溢れているのに)

3coinsのオープン時間に現地で待ち合わせをし、そこからnico and…、ハラカド、アットコスメ、資生堂、IKEA、またアットコスメ、ハンギョドンカフェ、H&Mと巡った。
知らない町へ旅行に来たような、新鮮な気持ちだった。竹下通りだけが「相変わらず」という感じがした。歩いているのは外国人ばかりだし、もう生写真など一枚も店頭に出ていないにも関わらず。

さあさあ買いに買うぞと意気込んでいた私たちだったが、こんなにモノがあるのに、二人とも、買いたい(買える)ものがぜんぜんないのだった。スリコでは何も買わず(まあまだ最初の店だし!)、nico and…でも何も買わず(全然セール品なかったし!)、本命のアットコスメで私の買い物カゴの中は、地元の駅前でも買えるメイクブラシ、イトコはビューラーの換えゴムのみだった。そんなバカな。しかし、欲しかったものだけが売り切れていたり、色を選ぶ長考のうちに欲しくなくなったり、冷静になったら割高だと気づいたり、狙っていたのに匂いが好きじゃなかったり、いい!と思ったものは高すぎたり、新しいものが来月出ると知ったり…。私たちは焦った。
「このハイライトに4000円出すなら、いっそクレド・ポーの1万円のやつ買ったほうがいいのでは」と、わけわかんなくなっている私が言うと、イトコは「そうだよ。年齢的にもう一生買い換えなくていいし」と答えた。私はもう少し長生きするつもりだが。

「ギョドンカフェはここから3分だから」とイトコに連れられて、彼女はハンギョドンを「ギョドン」と呼ぶが、それがファンの間の愛称なのかはわからない。
コンセプトカフェに入るのははじめてだった。入り口で冊子とペンとコースターをもらう。机の上にぎっしり注文をして写真を撮っている若い子と、ハンギョドングッズで身を固めた子どもの間の席に通された。私たちはハンギョドンとさゆりちゃんが乗ったクリームソーダを頼み、写真を撮った。置いているグッズも少なく、店内の装飾もワンパターンで、正直こんなものものかと肩すかしであった。いちばん良かったのは、メッセージボードに貼られたふせんの、ファンたちが描いたハンギョドンのイラストだった。どれもこれもほんとうに上手で、愛にあふれていてとても良かった。イトコにも少し不満があったのか、ハンギョドンの顔を食べながら、ポケモンカフェの良さを語った。行ったのか、と思いながら話を聞くうち、私も俄然行きたくなってしまう。夏休み中、予約は取れるのだろうか。

それにしても、あちこちにガチャガチャの店がある。
ふだんガチャをやらない私だが、この前、これはやりたいというものがあったことを思い出し、しかしそれがなにだったか思い出せず、使えるものだったような…見れば思い出すか?と二人で店内をうろつき(合間にイトコはひとつガチャをまわし)、思い出せずに娘にスマホで尋ねてみると、貨物列車のスタンプが出てくるガチャのことで、岡山駅にしか置いていない、と言われた。

イトコは、入る店が並んでいるところを、ショッピングモールに来たみたいだと言ったが、私はこの、買う意気込みをすかされた感じがアウトレットモールに来た時に似ていると思った。

本日の歩数、13000歩。
途中、スマホを見下ろしたままイトコが、「関東、梅雨明けです」と宣言をした。

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