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「手紙の時間」- 夢見月、桃の節句の手紙 -


桃の節句にまつわる手紙

立春がすぎ、寒さはまだまだあるものの、気持ちの上では春を感じる季節になりました。POSTORY代表の近藤千草さんとおおくりする 今回の「手紙の時間」では、桃の節句にまつわる手紙をお届けしたいと思います。

桃の節句とは

桃の節句、別名ひな祭りは、雛人形を飾り、女の子の健康と幸福を祈ると同時に成長を祝う行事です。
元々は五節句の一つ「上巳の節句」にあたり、古代中国の風習が平安時代に日本に伝わり今に至ります。

現在、雛人形には様々なタイプがありますが、十二単や細やかな調度品を揃えた雛人形は宮廷文化を表しており、それらは有職飾りと呼ばれています。
観賞用の雛人形は室町時代、座っている雛人形が作られたのは江戸時代の寛永年間(1624〜1644)以降と言われていますので、時代とともに少しずつ雛人形のあり方も変化しているようです。
しかしどの時代においても、健やかにそして幸せにと願う気持ちに変わりはありません。
桃のように愛らしく、扇面のように末広がりな手紙をご紹介いたします。

うららかな春興の手紙

掲載切手:新簡易生命保険制度発足記念切手 花束 1991年4月1日発売 掲載切手:年中行事シリーズ ひなまつり 1962年3月3日発売

最初の画像でご紹介しているのは、幕末の絵師・柴田是真による
「花くらべ」シリーズの中から厳選した8絵柄を絵はがきに仕立てたものの内の1枚です。

絵はがきの《花くらべ》に寄せて「花束」の意匠と、「ひな祭り」の切手を合わせました。この時期のお手紙にぴったりな華やかさです。
一緒に写っている桃色と金色の和紙の色帯は、水引の代わりとして簡易的な包装に用いたり、様々な装飾に使用することができます。
春の訪れにわくわくする気持ちを乗せて届けたい、麗かなお手紙です。

色とりどりの美しさ

掲載切手:鳥シリーズ 1964年5月1日発売 モチーフ:ホオジロ
掲載切手:ふるさと切手 1997年6月18日発売 モチーフ:蕗谷虹児画「花嫁」
掲載切手:年中行事シリーズ ひなまつり 1962年3月3日発売
掲載切手:第1次国宝シリーズ 第4集鎌倉時代 1968年9月2日発売 モチーフ:平治物語絵詞

白、水色、黄緑、桃色、薄黄色の淡い色合いの和紙に、小さな紙片が散りばめられた便箋です。控えめでありながら美しい色使いの便箋と封筒は、雅な王朝文化をも思い起こさせます。
罫線が入っているため、筆記具やインクの色によってモダンな印象にもなります。
切手はひなまつりモチーフや、季節の鳥であるほおじろ、画家・蕗谷虹児の作品《花嫁》の意匠、そして王朝文化から連想して御所車を選んでみました。

小箱に収める楽しさ

掲載切手:鳥シリーズ 1964年5月1日発売 モチーフ:ホオジロ
掲載切手:新簡易生命保険制度発足記念切手 花束 1991年4月1日発売 掲載切手:ふるさと切手 1997年6月18日発売 モチーフ:蕗谷虹児画「花嫁」
掲載切手:年中行事シリーズ ひなまつり 1962年3月3日発売 掲載切手:第1次国宝シリーズ 第4集鎌倉時代 1968年9月2日発売 モチーフ:平治物語絵詞
掲載切手:第2次国宝シリーズ 7集 1978年1月26日発売 モチーフ:本阿弥光悦作「船橋蒔絵硯箱」

こちらは榛原千代紙 風待ち草 を用いた名刺サイズの千代紙小箱です。
「風待草(かぜまちぐさ)」は、梅の花の別名で、この東風(こち)が吹くのを待って一斉に花開く事から、その名が付けられました。

千代紙小箱は身の回りの小さなものを整理するのにも、飾って整頓するのにも適しています。
例えばお気に入りの切手を入れたり、細かな文具を収納したり、
その他、当日いただく分だけお菓子を入れて、おもてなしに用いても素敵です。

お菓子の包みに使用しているのは「京花紙」です。ふんわりとやわらかい楮紙でアクセサリーや大切なものを包む用途やその他様々に使うことができます。
花びらのように薄く美しい「京花紙」の日常使いは、慎ましくも雅を楽しむ時間です。

(ご紹介している京花紙は、榛原日本橋本店でのみ取り扱っています。)

お菓子のような愛らしさ

右から、とき色、白色、草色の3色はまるで菱餅のような色彩のぽち袋です。

とき色とは鴇、別名桜花鳥が飛ぶときに見える、風切羽や尾羽の色が由来となっています。桜色や桃色同様、美しい春の色です。
こちらの「菊ぽち袋」は、この3色のほかに藤色と黄色の5枚入りで、どれも一年を通してお使いいただけます。

格調高く華やかな図案をお手元に

掲載切手:第2次国宝シリーズ 第7集 1978年1月26日発売 モチーフ:俵屋宗達画「源氏物語関屋澪標図」 掲載切手:国際観光年 1967年10月2日発売 モチーフ:ちょうちん

有職菱に双鳥が向かい合い、吉祥文様の笹と桐が描かれた寿ぎの絵はがきです。縁起のよい意匠と明るい色彩に、いただいた方もきっとお喜びになることでしょう。

切手は神社に参詣する光源氏を描いたもので、俵屋宗達によるもの。宗達の作品の中で国宝に指定された3点のうちの1つです。
御所車にひな祭りの宮廷文化の名残を思い、組み合わせました。

春の手紙の結びの言葉一例

・花の便りの待ち遠しさと同様、ふたたびお目にかかれる日を心待ちにしております
・気遣わしい時世の折、お疲れが出ませんように
・流行りものは勿論のこと、風邪など召されませぬように
・春光のもと、日々お健やかにお過ごしくださいますように
・木の芽冷えの折り、どうぞお身体おいといくださいますように
・うららかな陽射しとともに、皆様にますますのお幸せが訪れますように

桃の節句の時期に送る手紙をご紹介して参りましたが、節句だからというだけではなく、 この時期に手紙を書く方や書いてみたい方へお届けしていますので、動機はぜひご自由に、思い立ったが吉日。

手紙の時間が大切な方々を思う時間になりましたら幸いです。

※ 本連載に掲載の切手は、
日本郵便株式会社において販売終了しているものを含みます。
何卒ご理解の程お願い申し上げます。

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