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東京在住で写真を知りたいと思うなら【私的おすすめスポット紹介】

今年の4月から9月、東京に住んでいました。半年間の在住で回れた場所はごくわずかですが、「写真のことについて知りたいけれど、どういう場所を覗けばいいかわからない」という人に対して、おすすめの場所や有名な場所を少しだけ挙げておくことにします。興味のある方の一助となれば。

1.東京都写真美術館

まぁ、写真といえばとりあえずここは見ておこうという定番の美術館。来館者数は年間30万人は優に超え、年間に行われる展示数も相当なもの。恵比寿駅から動く歩道を使えば10分もかからない場所、恵比寿ガーデンプレイスの中にあります。おすすめはやはりギャラリートークの日でしょうか。学芸員さんが観覧料を払えば無料で展示解説をしてくれます。
後、図書館やワークショップも意外と豊富なのは知られていないかも。4階に無料で(!)利用できる図書館があるのですが、国内のカメラ雑誌だけでなく、機関紙も完備。世界の写真雑誌もちゃんと最新号がそろい踏みなので、ここに時折来て情報収集をするだけでも、その知識はかなりのものになるはずです。閉架の書庫の本も出してもらうことができ、Wi-Fiも無料、写真好きの天国です。ワークショップに関しては、HPから確認できるので見てみてください。暗室体験といった写真の初歩の体験から、展示作家本人と行うワークショップや、自分の持ち込みフォトブックのレビューまで、初心者から上級者まで楽しめるものとなっています。

2.NADiff a/p/a/r/t

写真美術館に寄った後は、ついでにこちらにも寄っておきましょう。恵比寿駅から少し歩いたところにあるこちらは、写真系の本などを扱うセレクトショップというだけではなく、新刊写真本のトークイベントを行ったり、併設ギャラリーでの企画展示などを積極的に行っています。雰囲気もそこまで堅苦しくない感じなので、美術館と合わせてめぐって、写真にどっぷり浸る一日を彩るにはぴったりの場所です。実は写真美術館の2Fにもここの系列店はあるのですが、やはり品物の自由度はこちらが上。写真系のマニアックな同人誌の品ぞろえはなかなかいいものです。

3.写真集食堂 めぐたま

ごめんなさい、ここだけは行っていないんですが……というか、難で行かなかったんだ……!と、今とても後悔している場所ナンバーワンのめぐたまさん。これまた恵比寿駅近くにある食堂なんですが、なんとここ、写真のことを調べると、だれもは一度は行きあたる、かの飯沢耕太郎氏が関わっている写真集食堂。店内には氏の5000冊の蔵書がずらーっと並び、開放的な空間はとてもうらやましい……し、やっぱり写真関係の人間が色々な理由で訪れるのだとか。あーあ、行けばよかったなー。

4.book obscura

吉祥寺駅から井の頭公園を抜け、閑静な住宅街を進んだ先にあるbook obscuraは、写真集専門の古書店。店内には様々な目を奪われる写真集がずらぁっと並び、入って左手の壁には、新進気鋭の様々なルーツを持つ作家さんの写真が展示されます。こちらでは、アットホームな作家トークイベントが定期的に開催されていて、気軽に作家さんと触れ合えるのがいいところ……なんですが、更に素敵なのが、店主さんの写真集愛。もうどこからその愛を持ってきたんだといわんばかりの熱量で、写真集に対する愛を聞くことができる……かも?初めて自分で写真集を買うには、これほど心強いお店はないでしょう。

5.GALLERY TAGA2

最後は小さなギャラリーのご紹介。決して大きなギャラリーではなく、写真だけを扱っておられるギャラリーではないのですが、私がたまたま近くに住んでいたことと、少しのご縁もあり、1月に1度ほど伺わせていただいていました。作品として扱われる写真を身近に見ること、そうした場で作家さんとお話させていただくこと、実際の価格の感じといったことを、言葉ではなく、その場の雰囲気として、とても丁寧に教えて頂けた気がします。ここで新しい作品を見るのがとても楽しみで、将来自分の家に作品を飾るなら、写真でなくてもここで買いたい、と思えたところ。ただ、小さなギャラリーですし、作品の販売もされておられるようなところなので、迷惑はかけないように、ですね。TAGA2さんに限らず、自分の身近な場所にそうした行きつけのギャラリーがあるというのは、自分の審美眼をアップデートするには、とてもいいことなんじゃないかな、と思う今日この頃です。


以上、5軒の紹介でした。相も変わらず儲からない企画ばかりやっておりますが、こうした記事を読んでくださる方の人生がほんの少しだけ豊かになることを祈りながら、今回はここで筆をおきたいと思います。皆さんのおすすめスポットも、ぜひ教えてくださいね。

サポートして頂けた分は、写真に対する活動全てに充てさせて頂きます。缶コーヒー1本分からの善意への期待を、ここにこっそり記します。