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初代 GR は問いかける、「あなたの一番良く使う画角は?」と。

この前、RX1を購入した投稿を書いた。ざっくりまとめるなら、「色は暴れるけど、ポテンシャルは十二分に感じられる素晴らしいカメラだ」と。

そんな私は今、なぜか初代GRを毎日持ち歩いて写真を撮っている。

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6年前のカメラだ。当然のように生産中止になった今、皆が着目して買うカメラではないと思う。
絵作りだって、「めちゃくちゃすげぇ!」と感動させられるわけでもない。

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紅葉する鳥居を撮ってみたけれど、絞ってjpgにシャープネスを軽くかけたときの画質はがっさがさで、正直最新のiPhoneと戦って勝てるかといわれると、ちょっと困ってしまう。
でも、それでもシャープをかけないと使える絵がほかのシチュエーションで出てこないから、シャープネスはいつもより気持ち強めにかけておく。これはしかたない。

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ISO1600も全然だめ。拡大してもらうとわかると思うけど、こちらもがさがさ。多分こういう部分は、素直にスマホでいいんじゃないかと思う。記録写真なわけだし。これより前に発売したRX1と比べても、センサーサイズの差だけではない力の差をまじまじと感じる。

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ちなみにISO25600は別次元のアートになるので、これはちょっと好き。でも普段使える画質では当然ない。じゃあなんで、この子を使ってみる気になったかだ。

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曇りの日の遠景?だめだ、全然ピンとこない。

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暗めの室内はどうだろう。悪くはないけど、これもスマホでいいような。

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自然光の入る室内は?あれ、これはちょっと悪くないかもしれない。なんとなくだけど、ハイライト側の表現に余裕があるような気がする。

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手元を撮る室内は……あ、これも悪くない。これくらいならようやくセンサーサイズが生きてくれる。背景のうっすらとしたボケも上品だ。

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パフェだっておいしそうだし。あっ、でもこれは手振れしてやがる。本当にすぐ手振れするから、注意はかなり必要だろうな……

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そして、晴れの屋外は……あれ?

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これは……これは、かなり悪くないんじゃないか……?
持ち出して1週間。ここで割と衝撃を受けた。なんだ、まだ余力あったんだ、このカメラ……って。

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確かに、すぐ手振れはするけれど。

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でも、日の光をこんなにふわっと優しく描いてくれるなら、少しくらい不便だって、いいんじゃないかって。

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ピントだって、こういう被写体だと迷うけれど。

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そこはこちらが慣れてあげれば、そのうち期待に応えてくれる。素直で、伸びしろがあると思える。

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最新機やフルサイズと比べて、足りないものはいっぱいあるかもしれないけれど。それでも、今の価格(中古相場で3~4万円くらいかな)で、そこそこのレスポンスで、編集無しでこれだけの光を紡いでくれるなら、このカメラは今でもとってもいい選択肢なんじゃないかなぁ。
それに、28mmという焦点距離は、今回冒頭で連呼していたように、iPhoneをはじめとする、スマートフォンでよく採用されるカメラの画角なわけで、「一番あなたが今までに使ってきたかもしれない画角」を気軽に高画質で切り取ることができるのは、案外楽しいもんだとGRは訴えかけてきているような。そのためにはやっぱりポケットにインできることは正義なわけです、うんうん。

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そんな気がしたので、こいつとのコンビを今度は少し模索してみようかな、なんて思った12月の初めの日でした。


【ひとりごと】
これで、今までに所持していた単焦点コンパクト機は、GR ,DP2x, DP2Q, X100, RX1の5台になりました。どれがいいとは言いにくいのですが、やはり、カメラは実際に手にしてなんぼ、使い込んでなんぼだなぁと改めて思うわけです。
来月には、Canon EOS 5Dを今更ながらに入手します。5Dシリーズは、Mark3を仕事機として長らく愛用しており、Mark2~4は少なくともどれも業務で使っていたことのあるカメラなのですが、初代は初めてのため、とても楽しみだったりします。
相変わらず金にもならないレビューではありますが、私と似たような感覚を持つ方の、カメラ入手の妄想の一助となれば幸いです。

サポートして頂けた分は、写真に対する活動全てに充てさせて頂きます。缶コーヒー1本分からの善意への期待を、ここにこっそり記します。