石橋を叩いて渡る

なにが悪い。そんな話。

「用心深い」は悪なのか。

「誰も悪いなんて言っていない。」
という意見は受け付けていない。

一か八かで危ない橋を渡り、
当たって砕ける派閥に向けて言いたい。

この派閥の方々からすると、
「石橋を叩いて渡るやつってバカだよな。とりあえず飛び込めよ。考える前に感じろ。人生は花火よ。パッと輝こうぜ。取り残されるぞ。とにかく進め。後は野となれ山となれじゃい!」って言う。

まず整理しよう。
石橋派と花火派とする。

石橋は100%壊れないのか?

花火派の方々は、100%壊れない橋を叩くやつをバカにしているのか?
それとも99%壊れない橋を叩くやつをバカにしているのか?
それとも30%の確率で壊れる橋を叩くやつもバカにしているのか?

100%壊れないのに叩くのならそれはバカでいいだろう。
認めよう。そいつはバカだ。

だが、現実に100%はありえない。(その考え方がありえないというのならあなたとは友人になれないだろう。)

石橋が壊れない確率は99%って前提で話しましょう。

この1%の捉え方が両派で違うわけだ。

ここでわたしはエイズ感染確率を例に挙げたい。
わたしが高校生くらいの時に見て衝撃を受けたポスター、
『あなたは彼氏の元カノの元カレを知っていますか』的な。
というのはどうでもよく、
エイズ感染確率って、1交渉で1%と言われていまして。
どう思いましたでしょうか。
これを、
「100回交渉したうちの1回」と捉えるか、
「100人中1人」と捉えるかでも変わるかも知れんが。

どちらにせよ、
「0ではない」と捉えてゴム武装するか(石橋派)、
「ほぼ0やん」と捉えて全裸特攻するか(花火派)。

な、石橋叩こう?
「ほら大丈夫だったじゃん!」じゃないのよ。
花火派って大丈夫じゃなかったときに
急に悲劇のヒロインぶるから嫌なのよね。
最初から分かってたじゃんその可能性。

分かりきったリスクは限りなく0にするべき。
もちろんその分花火派が早く先に進み、石橋派は取り残されるだろう。
ただ花火派はそのうち必ずコケる。
たまにコケることなく完走しきる人がいるけど、少数よ。
その少数になりたいなら花火でいいけど、
コケた時に絶対に「コンナハズジャナイ!!」って言わないでほしい。

わたしが言いたいことは、
事前にわかっているリスクは排除しようよってことです。
1%のリスクを軽視するなってことです。

(もし雷に打たれたら)とか、
(この飛行機が墜落したら)とか、
(隕石が降ってきたら)とか、
確率が0.00~的なものに対してはそれ石橋じゃないから。
そのレベルの橋を叩いてる人を見ると、
「あ、この人叩くのが趣味なんだな」って思うけど。

ただね、あるよね。
勝率30%で勝負しなきゃいけない時ってさ。
勝率1%に賭ける時ってさ。

そういう時はもう花火よ。
勝率1%の石橋なんて、ボロボロの橋だぞ。
叩いただけで壊れるぞ。

その見極めは大事だ。
まぁなんで花火派も石橋派も仲良くやろうよ。
お互いのいい部分を取り合いましょうよ。

以上。


初代ポケモンでさ、
かみなりタイプって超強かったわけだよ。
みんな必ず6体のうち1体はかみなりタイプさ。
サンダース、サンダー、エレブー、ライチュー。
さらにさ、
4つしか覚えられない技のうち1つは
かみなり技にしているポケモンが多くいたんだよ。
スターミー、カビゴン、ニドキング、ケンタロス。
水タイプが強くかつ大量にいた初代では、
かみなり技を覚えさせるのは必然であった。
ここでだ、永遠のテーマの登場だ。
ビアンカorフローラ論争に匹敵するとわたしは考えている。
かみなりor10まんボルト論争。

かみなりは威力120という高火力だが命中率が70%。
10まんボルトは威力95であるが命中率が100%。

かみなりは命中率70%のくせに全然当たらん。
じわれは命中率30%で当たるわけねぇ。5回しか使えないし。

かみなりの命中率の低さに苛立ちを覚えるプレイヤー。
それにひきかえ大人気の10万ボルト。
かみなりよりちょっと威力は落ちるが、それでも
命中100%の10万ボルトを採用したんじゃないのかい。

石橋を叩いて渡ったんじゃないのかい。
じわれを採用しなかったんじゃないのかい。

せっかくだから初代ポケモンの話をもう少ししよう。

水タイプが強く多く、さらに
「そらをとぶ要員」で飛行タイプを使うプレイヤーは多かった。
かみなり技需要はやはり高かったわけだが、
そんなかみなり技はじめんタイプには効果無効という仕様。
しかしじめん技は飛行タイプには無効という仕様。
ポケモン対戦ではこの駆け引きがたまらんわけさ。

カメックスVSサンダースで勝負開始。
サンダースの10万ボルトを予測してカメックスから
ダグトリオにポケモンを交換。
サンダースの10万ボルトはダグトリオに効果がない。
次にダグトリオがサンダースにじしん。
と思いきやサンダースからオニドリルにポケモンを交換。
ダグトリオのじしんはオニドリルには効果がない。

このじゃんけん的な要素を制するのに活躍するのが
「技のデパート」と呼ばれるポケモン達だ。
その一角であるニドキング。
れいとうビーム(氷タイプ)、じしん(地面タイプ)、だいもんじ(炎タイプ)、10万ボルト(雷タイプ)、はかいこうせん(ノーマルタイプ)、いわなだれ(岩タイプ)。
なんでもござれじゃ。

そんなじゃんけん的な技とタイプの刺し合いを楽しむ脳筋小学生のわたしに、2つ上の兄から格の違いを見せつけられた苦い記憶。

「どくどく」
「かげぶんしん」
「じこせいせい」
「みがわり」
分かる人には分かるこの技のラインナップの怖さ。
当初の記憶を鮮明に思い出せる。
わたしは鼻で笑ったさ。
「どくどく?ふざけてるの?1ターン無駄にしたね!
 スターミー!サイコキネシス!!」
この後兄はひたすらみがわりじこさいせいかげぶんしんかげぶんしんみがわりじこさいせいかげぶんしんかげぶんしん。
わたしはズルいって思った。言った。
そんなわたしに兄は、
鼻で笑っていた。

ズルいやつが勝つって言ったやつ誰だよ。
法律に反していなけりゃなにやってもいいのかよ。
脱法ハーブみたいなことしやがってよ。

ストリートファイターでもそうだ。
弱パンチって誰が使うの?必殺技のオンパレード~
って感じの能筋なわたしに兄は、
なんか上空に跳ねさせてからのコンボコンボコンボ。

つまんねー。やめたい。
しかしゲームを途中でやめることは死を意味する。

あの頃の敗北の日々。
つまらなく楽しかった敗北の日々。

今日では、わたしは息子に敗北を叩きこんでいる。

いつかわたしは息子に敗北する時がくるのだろう。

来ないでほしいし来てほしい。

敗北が待ち遠しい。

そう思いながら、
今日も息子に敗北を叩きこむのだ。

なんの話だこれ。
以上。

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