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未来はいかに

未来はいかに

1932 年に出版された、イギリス人であるハックスレーの「勇ましい新世界」や、同じくイギリス人のジョージ オーウエル(ペン ネーム)の「1984年」と言った書籍類は、社会科学空想小説だ。 

両者とも、人間界のおぞましい未来を予言している。 

小説「1984年」は、1949年に出版された。 運良く、すでに1984年も過去になってしまい、オーウエルの予言は、時間という角度からだけ見ると、外れたことになる。

しかし、この本の趣旨である警告は、ますます空想のえきを脱して、恐ろしいほど現実化しそうな勢いだ。

けれども、現在のように、急速に技術進歩が激しい時代、今後、人間界がどんな風に急展開するか、人間が不安になるのも頷ける。 

ある意味で、これらの書物は古い本であるが、ハックスレーの描写が、現代技術の急激な進歩で、素人の私の頭で考えてさえ、より現実味を帯びてきているような気もする。 

特にドローン、ITやAI(人工知能)、超精密技術(ナノテクノロジー)等は、今後の人類に、多大な影響を与えることは、否定できない事実だと思う。

その上、 脳科学の進歩、生命工学、遺伝子組換えとか、その他全ての科学全般の驚異的進展、コンピューターの高速化、心理学、社会学等の進歩、変革を起こしうる要因が多すぎて、目が回ってしまいそうだ。  

一人の頭では考えきれないほど、内容が複雑化し、肥大化している。

AI を搭載したロボットが、今まで人間界に当然のように存在していた多くの職業を、不必要にしてしまうのも遠い将来ではない。

遺伝子組み換え、人工知能、精密機械も、日進月歩で進捗している。

日本は鎖国を貪っていた、260年強の江戸時代が、素晴らしい日本文化の地固めの大切な時期であった。

また、必要に迫り、日本の西洋化に舵を切り替えた明治時代も、重要な転機であった。

21世紀の今後の変革は、もちろん、その何十倍も大きな変革になるに違いない。 

人間はある意味で、急激な変化について行けない場合も多い。

この地上で生きる事が、ますます素晴らしく、しかも夢多い時代の到来になるのだろうか。 

我々が夢想だにしなかった、95パーセントの庶民が、虫けらのような存在に蹴落とされるのか、私には想像もできない。

2021年現在は、 アイホーン(IPhone)等のお陰で、個人的には、充実したい毎日をおくっている。

過去には、「このような事が可能になる。」と、誰も本心からは、信じなかったと思う。 でも、これは実現化している。

技術進歩に、大喝采といきたいところだが、 物事はそう単純ではなさそうだ。 

監視、偵察資本主義と言う新しい形が、人間界の主流になるかもしれない。 

庶民が気づかぬ内に、いわゆる自由主義、資本主義の核の部分が、変容し始めている可能性も、否定できない時代に突入している。

今後、グーグルやフェースブック、その他のインターネットサービス会社の優位性が、ますます高まってしまうだろう。

顔認識や、GPS 技術等も、驚くべきスピードで進歩。 人間社会の常識を、覆してしまう勢いだ。

無数の人々の、インターネット上の通信から、本人が気付かぬうちに、多様な情報をこっそり集める。

そして、秘密裏に、そのような情報を求めている企業や組織に売りさばき、巨大な利益を生み出す可能性もあり得る。
 
所詮、資本主義は利益追求が至上命令だ。 

他より早く、客の求める貴重な情報を提供すれば、億万長者も夢ではない世界なのだ。 

その結果、いよいよ、持つ者と持たざる者の格差が、拡大する可能性が大きい。 

本当に、これから人間界は、どの方向に進むのだろう。 

その方向によっては、地球規模で、大きな変動が起こりうる時代に、我々は生きているようだ。

参考文献
“The Age of Surveillance Capitalism “,
published in 2019年, Shoshana Zuboff , Prof. Emerita at Harvard Business School

”1984”, George Orwell (British), published in 1949

“Brave New World” , Aldous Huxley(British), published in 1932

「監視資本主義の時代」、2019年刊行
ショシャナ ズーボフ、ハーバード大学経営大学院、名誉教授

「1984年」、1949年刊行、ジョージ オーウエル

「勇ましい新世界」、1932年刊行、
オルダス ハックスレー


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