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35歳までに3人産むのは無理ゲー

りす的3人ライフプラン

今回、35歳までに3人産むとしたらどんなライフプランになるだろうと実際にプランを考えてみた。

四大を卒業して就職して4年目の26歳で結婚子どもは5月生まれを狙い(春生まれの方が保活に有利四月狙いだと下手すると早生まれになる)、育休明け後1年間は妊娠せずに働くという、手堅いプランだ。

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作成した表では妊娠中を水色に産休育休中をオレンジ色にマークしてある。

彼女は就職してすぐに妊娠したり、育休明けすぐにまた妊娠したりするようなことは職場に迷惑がかかると思っているのだろう。出産も保育園に入りやすい時期になるように出産を計画したり職場への配慮をしようという苦悩が思い浮かぶ(保育園に入れないと育休延長になるケースもあるのだ)。

それでキャリアは手に入るの?

それでも、彼女が同期の男性やあるいは出産していない女性とキャリアを同じく手にすることは難しいかもしれない。

妊娠中、母性健康管理指導事項連絡カードで休業や時差出勤をする女性は10%弱いる。1歳児/保育園初年度の子どもは病気等で月平均1.5〜2日程度は休む早退で呼び出されることもあるだろう。急な休日対応も、他の家族の手がなければ無理だろう。

こういう人生を歩みたいか?

上記のような、キャリア形成に重要な20代半ばから30代半ばまで、休業と勤務が半々ぐらいの働き方をしたいと、あなたは思いますか?こうした働き方でどんな仕事ができるだろうか、させてもらえるだろうか。それは学生時代に思い描いていたような仕事だろうか。

私が仕事も充実させたいと考える女子生徒や学生だったら、こうしたプランを作る段階で『3人産むのはナシだな』と3人目を産むことは選択肢から除外するに違いない。

今働いている20代前半の女性は、もっとシビアに考えるかもしれない。上記のような働き方をする先輩女性社員を実際に見て、できれば二人子どもが欲しいけど産めるかわからないな…とそっと希望に蓋をする人もいるだろう。

ていうかこのプラン無理じゃない?

最強プランと銘打ってみたものの、そもそもこのプランは机上の空論、夢物語にすぎない。現実では初婚年齢の平均は30歳近いし、妊娠する時期は完全にはコントロールできない。妊娠しても統計的に15%程度は流産してしまうし、予定より早く生まれてしまう早産も6%程度の人におこる。子どもが特別なケアを必要とするケースや、保育園に入れない可能性もある。一人目のとき何もしなくても妊娠に至ったカップルでも、第二子以降不妊治療が必要になるケースもある。子どもを“授かる”というのは言い得て妙で、本当にコントロール不可能なものなのだ。もちろんキャリアプランという側面だけでなく、子どもの教育費用も3人産むというのには大きな壁になっている。

じゃあ女性が働かなければいい!?

こういう話をするとじゃあ女性は働かせないで、みーんな専業主婦になればいいんだ!という意見も散見しますがそれでは家庭も国も立ち行かない。

日本には資源(石油)がないので石油を海外から買わない限り、日常生活も製造業を柱とする経済活動もままならない。残念ながら日本のGDPは年々下がっているし、一人当たりあるいは1時間あたりの生産性も先進国の中で高くない。そして、労働生産人口も少子化のあおりをうけて減っている。健康で働く意欲のある生産年齢の人を『女性』だからと働かせなければ、国際競争力は地に落ちてしまう

他国が男女の総力戦で競走をしている中、資源もなく、人口ボーナス期を終えオーナス期に入った日本が、”24時間働けますか“なんていう働き方も許されなくなった今、男性だけで国際社会で勝つ/稼げる理由が見つからないのだ。

またニッセイ基礎研究所 生活研究部 准主任研究員 天野 馨南子さんの記事によると共働き家庭の方が第二子、第三子を産んでいる割合が多いという事実も、女性を専業主婦にするという意見を否定するものだろう

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もちろん、共働きができる人たちは祖父母が近隣に住んでいるといった隠された要因がある可能性はありる。しかし、少なくともこのデータを見る限りは専業主婦であることが第二子、第三子の出生にプラスに働いてはいないように見える。

男性が4ヶ月育休とってみるの、どう?

もし仮に、男性が育休の後半4ヶ月取得するようになったら、最初にあげたプランとどう違うだろう。父親の育休は緑色でマークしてみた。

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男性が育休を取らないということは、3人産めば約3年のキャリアの断絶が女性にあるということだ。男性が子ども1人に対して4ヶ月育休を取得したとしてもまだ、休業期間は女性2年、男性1年と女性の半分にすぎないのだ。


もっと自由に生み育てられたらいいのに

今回プランを作って、なんて制約が多いのだろうと感じた。

大学在学中に出産

高校卒業して出産、育児が落ち着いてから大学に行って就職

就職してすぐに妊娠

こうした選択が今は『規範的でない』『迷惑になる』とみなされていないだろうか。妊娠出産しても勉強を続けられるような環境になれば、中絶せずに早めに第一子出産するという選択をする女性もでてくるのではないか。今子どもを3人産む女性は約10%しかいない。少母化のフェーズに入った今、働いている女性が3人産むとはどういうことなのか、政治家にはもっとリアルに想像してもらいたい

無理ゲーはプレイしたがる人が少ないものだ。

3人生み育てるのを無理ゲーじゃなくするために、あなたは何が必要だと思いますか?

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