蛇にピアスをやっと読んだ

「蛇にピアス」は読んでみたいと思いつつも中々手が出ずに後回しにしてしまっていた。

「蛇にピアス」について知ったのは綿矢りさの「蹴りたい背中」を読み終わった後、ネットで感想を調べているときに知った。当時芥川賞を綿矢りさと金原ひとみが最年少で受賞したと書かれている記事が多くあった。

それ以降読もうとは思っていても書店や図書館に行っても忘れてしまい、家に帰ってからそういえば!!と気づくことが続いた。

しかしここ最近「蛇にピアス」を思い出させる出来事が続いた。

まず初めに平野啓一郎の「本の読み方」という本を読んでいるとき、例文として「蛇にピアス」を扱った文章が出てきた。
テーマ設定による違いとして谷崎純一郎の「刺青」と比較、類似点、相違点の観点から読み解く、また体感的表現が多くあることも着目せよ!!というような内容を述べていた。
この時点でもまだ読みたいとは思いつつも、大事な時に忘れてしまい読まずじまいに終わってしまう。


次にBL漫画を描くはらだ先生の「ネガ」に収録されている「ピアスホール」という話を読んだことでピアスに対しての関心が高まると同時に「蛇にピアス」が頭によりちらつくようになる。
普段BL漫画は読まないのですが恋人がはらだ先生の作品が好きで僕も知りたいと思い貸してもらいこの作品に出合った。

この話は題名通りピアスに関する話でピアスとは縁遠かった人がピアスを付けた人に目を奪われ、自分もピアスを開け共通の異物を獲得する。しかし自分の目を奪ったピアスは歴代の彼氏が付けたものと知り憎らしくなってしまう。そんななか…というお話です。
ざっくりとした説明ですがぜひ読んでみてください。きっと驚くと思います。


最後に恋人と話している時におへそにピアスをしていることを聞き、実際に見せてもらったことです。実際に見た時このピアスというものを題材に金原ひとみはどんな話を展開するのか気になって翌日に本を借りに行ってソッコーで読んだ。

この小説のキーポイントはやはり痛みだと思う。蛇のような二本に分かれている舌になるためには時間をかけて徐々にピアスの穴を大きくしていく必要がある。
序盤にピアスの穴は数字が大きいほど小さく、数字が小さくなるほど穴は大きくなると説明がある。
物語が進むにつれピアスの数字は小さくなるので穴は大きくなり、それに伴う痛みも読んでいて実感することが出来る。

明日への希望が見えなくなり、ビールしか体に通らずぼろぼろになってもピアスによる痛みで現実にいることを実感する

ピアス以外の痛みではアマが殺された描写の鮮明さはシバの暴力性を写す部分での痛み、結局は愛する人と一緒の舌になり同じ時間を過ごせなかったという心理的な部分での痛みもあったんだと思う。

なんかごちゃごちゃいなっちゃった



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