誰かの大切な人
今日の朝、路上で自転車と人が倒れていて、そのそばで若い女性が電話してた。倒れて、痙攣してたのだという。
意識も戻って話もできて無事に救急隊に引き継いだ。既往にてんかんがあること、今は学生であること、薬は飲んでいること、でも寝不足であることを首を縦に振るか横に振るかで教えてくれた。
しんどかったね、びっくりしたよね、大丈夫だよ、もう大丈夫、と涙を拭き取りながら背中をさすることしかできなかった。
自転車は近くのコンビニに預けて、店員さんに事情を説明して置いてもらった。たぶんあの状態なら救急での診察のみで帰されるか、安全策をとって1日入院の程度。自転車の鍵はかけられなかったけど、どうか自転車取られませんように。
あのこは、きっと誰かの大切な人。
産まれて初めてのてんかん発作の時、きっと家族は驚いて動揺して怖かったと思う。
病院にいっててんかんだと診断された時、子どもの未来を案じて不安になったりもしたかもしれない。
定期受診に行って、内服を続けたし数ヶ月毎に脳波も撮ったんやろな。
大丈夫よ。
あなたは愛されて育ってる。
ちょっと寝不足が続いたり、生活リズムが崩れると発作が起きやすくなるけど。たまたまそのタイミングだっただけ。仕方ない。また立て直せばいいよ。
この世の中には、助けてと言えば助けてくれる人がいる。声を出すのは恥ずかしいし、反応してもらえなかったらどうしよう、助けてもらえなかったらどうしようって思うかもしれないけど、案外みんな助けてくれるの。大丈夫大丈夫。
どうか、あのこが、生きやすい未来になりますように。
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