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Kindleとブックカバー

今、本を読んでいる。
でもきっと周りの人からはそうみえない。
ケータイに入っているKindleのアプリで読んでいるから。

そしてときどき少しの振動とともに画面の上に表示されるLINEに中断させられて、また本を開く、というかKindleのアプリにもどる。
本の中に出てくる女優さんか分からず、Yahooをひらいて検索する。あー、あの映画にも出てたかな、なんて考える。また戻る。

通勤時間に最高最適の読書。
でも読書をしながらも時折の中断がはいり、目的地に到着する。

今隣の席があいた。
するとすぐそばに立っていた40代くらいの女性が座った。手には文庫本が丁寧にオリジナルの布のブックカバーを身につけている。かわいい豆柴のイラスト。
この人はきっと自宅からこの本にブックカバーをつけて、カバンにいれたんだろうなあ。衝動的に購入したものではない、という表れがブックカバーに込められている。この本は丁寧に扱われていて羨ましいなあ、なんて思った。わたしの、Kindleでの読書との違いは、きっと画面に表示されるLINE受信でもなければ、急に検索したくなる言葉でもない。この人にとってこの本は、私のそれとは違う、夢中にさせる力を持っているんだろう。

私もいつか、ブックカバーや栞を身につけた文庫本を持って通勤電車に揺られてみたいなと思う。

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