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HIMEHINA LIVE 2021 「藍の華」を見ました

以下、記事中でライブ本編のネタバレが含まれます。アーカイブ配信を見る予定がある人は何も見ずに再生して私みたいに嗚咽したあとファンクラブに入りCDを買ってください。


今まで見たライブの中で間違いなく5本の指に入るぐらいの衝撃的なライブでした。これはオンライン配信だけではなく、今まで現地参加したライブ含め、です。なんやかんや100回ぐらいはライブイベント行っている気がしますが、それらの中でも5本の指です。もちろんオンライン配信ライブでは唯一です。


最初にお断り。今から偉そうに記事を書く私なんですが、HIMEHINAのことは詳しくなくて、Spotifyでヒトガタを聞いて「歌うめぇ~」って言ってただけのオタクです。詳しいことはWikipedia先生に譲ります。以下は、そんなオタクがライブを見て号泣し、一瞬でファンに落っこちて、そのまま有料ファンクラブに入りCDをポチるまでの経緯です。

読む前に押さえておいてほしいことは、以下3つ。

・HIMEHINAとは2名のバーチャルYouTuberからなるユニットである
・元々予定していた二人の全国ツアーが新型コロナウイルスのせいで中止になった
・この記事で書いているライブは、全国ツアーの中止後初のライブであったが、それも緊急事態宣言で無観客開催となってしまった

これだけ頭にいれて以下読んでほしいです。

あと、スクショとか出ていますが、ライブ本編のアーカイブからではなくて、YouTube上に存在している無料で視聴できるものを切り取って使っています。そもそも公式が流出させたライブリハ映像なるものが存在しているのでそちらも使用しています。あらかじめご了承ください。


演出の話

ライブ全編から痛いほど伝わってきたのは、「本当は現地でライブをやりたかった」という無念、そして、実施する無観客ライブをなんとしても本物のライブに近づけたい、という執念です。

OP映像で流れてくる中止をひたすらに悲しむ内容。これが一番無念を示していたと思います。

2021-02-08 22_57_37-ヒメヒナライブリハ映像流出 - YouTube

中止となった全国ツアーに関するツイート、スタッフと二人の間のやりとりのLINE、Slackのようなチャットツール、その全てで中止になったことを悔やむ文言が表示されていました。全部みたい人はこちらを(1:03:50あたりからです)。まじで本当にこのあたりの流れだけでも良いから見てくれ。

そしてその後に続く二人の台詞。詳細は本編を見てほしいのですが、今までの世界が当たり前だと思っていたこと、そしてこんな状況になってしまってからの、悔しさ・嘆き・叫び、そういうのが全部詰まった声で、それでも諦めたくないって二人が言い続けるんですよ。もう、開始して5分のこのOPだけでボロボロに泣いちゃいました。全てのライブを欲している人間に突き刺さる内容で、共感とか同情とか、なんかもう一瞬で感情がぐちゃぐちゃにされてしまいました。ほんと、この5分でもうチケット代取り返してたんじゃないかってぐらい感情が壊れたと思います。


そして、この無念の跳ね返りからか、ライブ中では実在のライブに近づけるための演出がこれでもかと詰め込まれていました。

まず、ファンから声を募集してそれを合成してライブ中に演出として使われていました。

これがOPや曲の端々でコールとして流れるんですが、もう、本当に、我々ライブに行きまくっていたオタクが求めていたものは全部これなんですよ。聞こえた瞬間ちょっと鳥肌立っちゃいました。

なんとなく雰囲気分かるので動画貼っておきます。配信ライブ側はもうちょっとお客さん側の声が大きくて良い意味で地鳴りっぽい、帰隊していた感じになっています。是非爆音で見てほしい。

配信ライブいろいろ見てると、お客さんの声が会場の端々から聞こえてこないこと、人の声が重なってステージにいる演者さんを支えていないことがどうしても気になっちゃって、あれすげー寂しいんですよね。以前の会場で実施したライブの歓声をそのまんま流したライブもあったんですが、曲にあっていないとか、コールがあってほしいところでは声が聞こえないとか(はい!はい!はあるがあんずのうたの「はたらかないぞー!」はないみたいな)、同じ音ばっかで録音感があるとかで、ライブ会場の再現には全くなっていなくて、むしろ作り物感が強くて寂しくなってしまいました。

ライブ行っている側の人間が配信ライブをみたら、一回ぐらいは本物の歓声を入れたいって脳裏よぎると思うんです。でも、そう思っていても、普通わざわざやろうと思わないじゃないですか。面倒だし、コストに見合うものになるか分からないし。でも、観客の声がどれだけライブにとって大切かを理解しているからこそ、わざわざこんな手間がかかることをやったんだと思うんですよ。

だってさ、「はい!はい!」って声、ちゃんとステージの二人が煽って一拍おいてから聞こえてくるんだぜ。わざわざコールの再生位置ずらして再生して、ライブのコールをちゃんと再現してるんだぜ。ここまで再現しようとしてくれるのはほんと感謝しかないです。ありがとう。

そのおかげで、私は間違いなく今までの配信ライブで一番現実に近い本物のライブを感じることができました。ほんと、めちゃくちゃ楽しかった。俺が本当に大好きだったライブってこれなんだって改めて感じられるような声がたくさんあって、幸せでした。


歓声だけでも十分凄くて100点満点中9億点なんですけど、もう一つ良かったのが、配信側へのリアルタイムコメント反映です。ステージの両脇にTwitterのタイムラインと配信側のコメントがそれぞれ配置されていて、リアルタイムでコメントが凄い勢いで流れているんですよ。

2021-02-08 23_56_53-ヒメヒナライブリハ映像流出 - YouTube

アイマス好きとして「客(プロデューサー)は舞台装置」という表現を使うことは良くあるのですが、本当にステージ上のモニタにコメントが流れて、自分たちのコメントが舞台装置の一部になっているのはさすがに初体験です。

そして、実はここ以外にもコメントが表示されていて、

2021-02-08 23_55_57-HIMEHINA LIVE 2021「藍の華」in豊洲PIT - YouTube

画面中央になんかピンクの枠がいっぱい出ていると思いますが、これが全部ARで合成したコメントだそうで、パッと見た時の迫力というか、圧倒される感じが凄い。

ただ、どちらかというと僕は前者の方、舞台上にわざわざコメント読める場所を準備した方が凄いと思っています。というのも、普通の思考なら演出の邪魔になるこんな場所にわざわざこんなもの配置しようなんて考えないからです。せいぜいMC中にちょっと表示するぐらいが普通。でもそんなことしないで、もう常時表示しっぱなし。流しっぱなし。曲中も出しっぱ。

わざわざこんなことをしてまで実現したかったのは、多分「自分たちも会場にいるんだ」「自分の声がステージに届くんだ」という、観客とステージがつながっている体感を作りたかったからなのでは?と思ってます。普通コメントしたところで表示されるのってせいぜいブラウザの中だけで、別にそんなもん届きはしないんですけど、今回ってARだけじゃなくてわざわざ物理的に届いているのが見えるので、それだけでコメントする気になるんですよね。もちろんこれって、観客側にとっても繋がっている感があると思うんですけど、ステージの二人にとっても繋がっている感が感じられるものになっていて、本当によくやるなぁと。このつながりをわざわざ準備するところが本当に執念の塊で、よくこんなことやるなと。感服しました。


で、これで終わりだと思うんじゃないですか。もう一個現実再現要素がありまして。また同じ動画(生放送のアーカイブ)を貼るんですが、これ、途中から、場外再現してるんですよ。

気づいたとき頭抱えました。なんだこれは。ここまでやるのか。もちろん宣伝目的で、裏でYouTubeで生配信流しっぱなしにするのは常套手段だと思うんですが、わざわざライブ映像流しっぱなしにして会場外で漏れ聞こえる音を再現するような芸当をするのは間違いなく分かってやっていてびっくりです。

これらの演出を見て感じたのは、絶対にステージの二人だけのライブにしない、これを見ている人間が本当に参加したライブにするんだという執念です。PCのブラウザから見られるものを全部使って、二人とお客さんにできる限り現実のライブを提供しようとしたんだと思います。そしてそこから感じられるのは、ある種の狂気で。こんなもん、何らか頭のネジ外れてないとできないと思う。これらの演出考えたスタッフ陣は本当に本当にライブというものが大好きなライブ狂いの連中なんだと確信しています。そんな人たちだからこそ、ライブの勘所を分かっている人たちだからこそ、ここまでやってはじめて得られる現地感があるオンライン配信ライブを実現できたんじゃないかなって思います。


パフォーマンスの話

もちろん演出だけじゃなくて、二人のパフォーマンスも素晴らしいの一言。

私は歌や音楽を解説する才能というものが全くといっていいほど存在しないので、ここからは本当に語彙力が無くなってしまうので短くなってしまうのですが、もう、ね、やっぱり凄いよこの二人は。

Spotifyでずっと音源聞いていたので当然歌うまなことを知っていたわけですが、でもまぁ、いうて音源は音源だしなぁ~と思ってたら、あ、喉からCD音源以上の方だ~~~~~~~すみませんでした~~~~~~ってなりました。

二人のハモりの気持ちよさとか、凄い。なんだ?麻薬聞いてんのか?表現力も凄くて、強いところと弱いところの緩急がめちゃくちゃ聞いていて気持ちいい。ライブ特有の見ている側への煽り方も完璧で、まさしく臨んでいたライブをやってくれるので、もう、本当、ありがとうHIMEHINA。

後、ほんと失礼な話なんですが、私はわりとずっとHIMEHINAの二人はモーションと歌っているのはそれぞれ別人なんだろうなと思っていたんですが(だって動画でめっちゃ動くんだもん)、息づかいとか声とか聞いてるとそんなことないみたいで反省と共にビビり散らしています。これだけ歌えてこれだけ動けるの?本当に?と今でも少し信じられていません。分かる人に分かりそうな表現を使うと、瞬間的にはラブライブ!レベルで動いています。改めておかしいと思う。世界のバグではないか?

あとVTuber系のライブの振り付けって何をどう頑張っても最後は2次元に押し込めないと行けないしトラッキングできる範囲狭いから歩いて移動とかできないしで、どうしても動きが小さく見えがちなんです、が、二人とも腕ブンブン振り回しててて全くそういうこと感じさせない動きしていて感激しました。3Dモデルでずっと初期から動画作ってるだけあってこのあたり二人もスタッフも熟れているんだろうと思います。

あと、セットリストもまぁまぁエグい。基本的にはライブタイトルにもある1stアルバムに沿った内容なんですが、そんな中でもためらいなくセトリ2曲目に前日こっそりリリースした新曲をぶち込んで来て、油断していた人たちをひっぱたいてたたき起こしてました。そんな暴力的なところも好きです。

総じて、好きです。本当に良かった。最高ってこういうことだったなって思い出せました。


まとめもとい反省文

まとめに入りますが、もう、本当にごめんなさい。

正直、VTuberのライブだからって舐め腐っていました。まぁ、歌うまいのは知ってたしそれだけ見られれば良いかなって、舐めてました。

Vのもののライブねぇ、まぁ、曲が好きだし?二人かわいいし?見てみっかな~みたいな?チケット税込み8080円?アーカイブ込みとは言え配信ライブで?正直言っちゃうとディスプレイの前で「高!」って言っちゃいましたよ。でも、このクオリティでこのお値段は安い。断言する。安いよこれ。だって実質現地だし。交通費宿泊費とか浮いてるからもはや実質無料だと思う。まじで最強です。ライブロスのオタクで、文脈とか場とかそういうの大切にしがちなオタクが見たら一発でハマる内容でした。まじ、この記事に書いていないこととかちょいちょいあるんだけど、ほんとヤバいんだってこれ。

お詫びにファンクラブに入りました。こんなの応援しないわけにはいかないだろ。いい加減にしろ。

本当に。今後の二人の活躍を楽しみに待っています。2ndアルバムもライブもめっちゃ楽しみです。もし現地行けることがあったら是非行きたい。こんなに良いライブやってくれる人たちがやるライブに現地参加とか多分頭おかしくなっちゃうんじゃないか?って期待しています。そのときまで生き延びたい。生きるぞ。頑張るぞ。





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