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目からウロコの「おめめどう®」オンラインシェア会

(おめめどうメチャ推しの記事ですが、利益相反(COI)はありません^^;)

2019年11月に長野県内の有志で実行委員会をつくり、奥平さん(ハルさん)、大西さん(syunさん)をお呼びして「目からウロコのASDトータルセミナー(おめめどうセミナー)」を信州諏訪で開催しました。

有料のセミナーは地方では難しいのでは?という声もありましたが、県内外から親の立場の方だけではなく、医療、教育、福祉などさまざまな立場から満員御礼の200人もの参加者があり、希望者をお断りするほどでした。

手立ては知るだけではなく実際に、始めること、続けることが大事なのでフォローアップの会をおこない、今回はその2回目を開催しました。

新型コロナの流行にともなう集会自粛の要請もあり、急遽オンラインで開催に変更となりましたが、諏訪を中心に県内各地から、いろいろな立場の7名の参加がありました。

こういったオンラインミーティングは増えていますが、移動の手間もないし、感染の心配もないし、寝そべりながらでも参加できます。

これはこれで、とてもいいですね。

一般的には、よく使われるのはZOOMなのでしょうが、今回はBizmeeというサービスを使いました。

無料で時間制限なく使え、ブラウザだけで参加でき、ホワイトボードや議事録などもリアルタイムでシェアできてとてもよかったのですが、人数が増えたせいか途中から調子が悪くなり、LINEのビデオチャットグループに移動しました。

信州での「おめめどうのシェア会」

今回は、大阪でsyunさんの元で「放課後くらぶ」で働き、おめめどうグッズを使用の経験も長く、大阪で地域支援グループ「NUSS」を立ち上げ、「おめめどう講習会」を開催、その後、信州に移住され、信州のセミナーの開催にも関わっていただいた内田エンジェル暢子さんに助言者をしていただきました。

児童発達支援で勤務されている専門職や、昨秋のセミナーに参加されてから、おめめどうグッズを使いはじめたという親の参加もあり、非常に参考になりました。

巻カレやコミュメモなどを使い、子どもが「こっちがわかっていないとおもっていたことが実はわかっていたんだ、とわかると嬉しい。どんどん使おう」といういう感じですっかりハマり、おめめどうのメルマガからはじめ、今期のハルネットにも入ったそうで、あっという間にヘビーユーザーになったようです。

カレンダーやコミュメモなどの実例をみせていただきましたが、身近でこういうシェア会があって実際にやっている様子を実際に見聞きすると、自分も始めみよう、続けてみよう、という気持ちになれますね。

長野県でも「おめめどう®」の知名度もあがり、ユーザーがじわじわと増えているのを感じます。
ASDと診断がつく方に関してはこういった視覚的支援は必須ですから、まだの方は今すぐ手立てをはじめていただければと思います。

(株)おめめどうに関しては以下のリンクから奥平綾子(ハルさん)のメルマガの過去ログのセレクションは無料で読めますし、最近は「おみみどう」と称したハルさんのレクチャーの音声も聞けますよ。

また、日本公論社の「そだちの科学」最新号の「発達障害の生活を応援する」特集にも奥平さんの記事があり、よくまとまっています。

同社から講演をまとめた本の商業出版も予定されており、楽しみです。

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ここからの質疑応答は、おめめどうのセミナーなどに参加されたり、メルマガやハルネット、冊子などをもとに、おめめどうツールですでに実践されてきている方には基本的なことかもしれません。

ですが、はじめて聞く方、おっと思われた方、もっと知りたくなった方は、ぜひ冊子を取り寄せたり、noteを読んだり、メルマガを購読し、おめめどうツールを取り寄せて実際にはじめて続けてみてください。

幼児期〜思春期など時期ごとでのハルさんのQ&Aの本もありますよ。

これらは、おめめどうのネット通販で購入できますが、安曇野市穂高のNPO法人ほたか野の花の「カフェだ・もんで」では一部の冊子や巻カレンダー、コミュメモなどをコラボ割でまとめて購入し、販売しています。

実物を見ることもできますので、お近くの方はどうぞ。

コミュメモ

それでは質問とそのアンサーをどうぞ。

Q) 児童発達支援で支援をしています。絵カードをつくって並べて教示するなどしています。今後、どのように視覚的支援、おめめどうグッズを導入していけばいいでしょうか?


絵カードは出来合いのものなどを使いたくなりますが、まず、おやつなら、お菓子のつつみがみ、お皿、写真、イラストなど、お風呂ならお風呂の写真、つかっているおもちゃ、イラストなど、その子がわかるものを集めるところからはじめます。

そして、その絵カードなどが、本当にマッチングしてわかっているかどうか確かめることが必要です。

出来合いのシンボルなどをつかってつくった絵カードなどは、提示しても実はマッチングが全くできておらず、本人はわからないままになってしまっている場合も多いので注意が必要です。

マッチングできたものをそれを巻カレンダー®やコミュメモ®などの定型的なフォーマットに乗せていくと、分かり合い、伝え合うことができるようになります。

おめめどうのグッズをつかうと、フォーマット(型取り)ができているので、それが自然にできます。

マッチングをおこない、見えない時間の流れを理解して伝えるために

①まずは実物のスケジュールから
 (カラーボックスのようなものを準備。上→下へ流れる)
   必ずマッチングできているものをおいておく。
   大好きなものはマッチングできる。
   実物に写真を貼り付けておく。
      終わったものはおしまいボックスに入れる。

②絵カードや写真のスケジュールに
   写真(絵カード)の下には文字を添えておく。
    (※スマホで撮影したものをコンビニでプリント
     それに テプラで文字を添えるとカードが出来ます。)
   それを縦に並べるとスケジュールになります。
   選んでもらうときにも使えます。

③みとおしメモに
   文字と意味が一致すると文字だけでよくなる。
   音声言語はだめでも文字言語でのやりとりは出来るという人もいる。
   その後、本人が選べるようになれば好きな手帳なりを使う。

Q) スケジュールは今やっているところに赤枠をつくって振り返れるほうがいいでしょうか?

最初はカードを剥がして、おしまいボックスにいれるような形の方がわかりやすいでしょう。
終わった活動は目の前から消えてるようにしたほうがスッキリします。終わったのに残っていると気がちる子もいるかもしれません。
スケジュールは、そしてその子専用のスケジュール必ず作ることが大事です。個々のスケジュールのうえに、その子の写真をおいてあげるとわかりやすいです。
カレンダーやスケジュール、その子にとって必要な情報をあつめた情報コーナー(トランジション)を作りましょう。

Q) 個々でスケジュールはつくっていません。予定は集団でながれていくのでスケジュールは共通でいいでしょうか?


全員が同じスケジュールであっても個々のスケジュールをつくったほうがいいです。
まざるとわかりにくくなりますし、個々でやるリズムが違いますので。
自分でスケジュールを立てられるようになるまでは、個々でスケジュールをつくりつかえるようになるのが大事です。

時計に関しては)
・時計はわかっているか?
・時計ととけいメモがマッチングできているか?
・実物の時計はどこに置かれているか?

のアセスメントが大事です。
とけいメモのよこに実物の時計をおいてマッチングするところからはじめてください。
時計は飾り時計などではなく、なるべくシンプルなものを使いましょう。
かならず目線はかれら、彼女らのところから。
わかりにくいのはダメです。
デジタル表示のほうが分かりやすい人もいます。
使える子は中学生くらいになれば腕時計などをつかえばよいと思います。


Q)フォーマットは何でもいいですか?自作のものでもいいでしょうか?

市販されていて、いつでも手に入り、かわらないので、おめめどうグッズが圧倒的におすすめです。
ただ、もし、どうしても手作りするなら最低限フォーマット(様式)は一緒にするようにしてください。
フォーマットが変わるとわけがわからなくなります。
スマホで機種変してもすぐに迷わずに使えるのは変わらないからです。

Q) 通信制高校に通っています(ASD)。カレンダー&スケジュールを使ってほしいのですが、分かるから大丈夫とつかってもらえません。手帳など他の方法でスケジュールはしていなさそうです。どうすればいいでしょうか?


思春期にはいると親の言うことは反発しますね。

ずっと声かけして動いてきたのであれば、親がまずは喋らない、声掛けしないで「待つ」ことです。親に言われても言うことはなかなか聞きません。

とりあえず見る見ないはともかく本人にまかせ貼っておきます。
カレンダーやスケジュールはあくまでも本人のものです。

まずは家族カレンダーなどで親が使ってみせるのがいいかと思います。


声掛けをやめるためには、親は、まずは1日2時間喋らないことを練習していくといいとおもいます。

親もいわなくなると向こうから聞いてきますので、そのときだけに反応する。親はドラマでもみていればいいのです。

支援のときも一言も喋らないで、極力話さなくてもいい状況をつくります。とりあえず待って喋らないでいると、その子が自主的になにをするのかということに集中して見ることができます。

こちらから話しかける時は「お話ツイン」「えらぶメモ」などを選択肢を示して聞きましょう。思春期は親からはそれすら嫌がりますが。


「学校のスケジュールをパソコンでチェックしましたか?」または、えらぶメモを使用し「学校のスケジュールチェック誰とする?①自分1人ででする。②お母さんとする。③お父さんとする。④その他( )」など。

親や支援者が選択肢を示しても、声かけでは選んだかどうかはわかりません。
特に力関係があると顔色や声のトーンで影響をうけてしまうので、あくまでニュートラルに視覚的に提示して待ちます。
提示する側が、こっちをとおもっていると、それを見ていて、影響をあたえてしまいますので目も動かさないことです。

本人が自分で選んで、納得してやってみて、その結果、うまくいかなくても本人の経験にしていけるように、周囲は環境を整えて待つことが大切です。

思春期からの関わり方に関してはハルさんの講演をまとめた以下の冊子がとてもおすすめです。


最低3日、長くても2週間。(syunさん)

フィットしてないことは、長く続けてもフィットしないということです。
それで出来なければマッチングがあっていないということ。

・スモールステップでない。
・本人が提示してもらいたい情報ではない。
・わけがわかっていないか、興味がない。

などを見直しましょう

syunさんはハルさんのお師匠さんです。
noteのsyunさん語録は噛めば噛むほどじわじわとくるスルメのようです。ぜひ味わってみてください。

Q)今年から小学生の知的障害のあるASDです。今後、どのように表出を増やしていけばいいでしょうか?

注意喚起、要求の言葉は出ますが会話にならないレベルです。
おめめどうをはじめて、いつも同じ時間の中で、毎朝7時に起きてトイレにいって、巻カレンダーの枠をかえて、着替えをして、とやっています。
その後、スケジュールをつくって、終わった予定横線で消すのは本人がかくようになりました。嫌なことは本人がすごい勢いでぬりつぶしたり、スケジュールをくしゃくしゃとしたりします。

そのような形で嫌なことは嫌だと言えるのも立派な表出です。
嫌なことがをやりたくないのは当然で、それを受け止めてあげてきていると思春期に楽です。

一方的に示され、拒否できない、選べないことが続くと、受動的だけど時々荒れるという子になってしまうかもしれません。

本人の言うことを聞いてくれた人の言うことを聞くようになります。
気持ちを聞いたり、行動の選択肢をえらぶメモをつかって示して聞き、選択肢を増やしていきましょう。選択肢がたまってくると自分でも表出できるようになってきます。

ツールをつかって選択肢や予定を示すのは本人が好きなことからはじめてください。
こちらがやらせたいことを書くと、巻カレもみとおしメモも、コミュメモも、嫌なことの指示書になってしまい、そのツール自体をつかいたくなってしまいます。

Q) スケジュールやコミュメモを学校(支援学級)でなかなか使ってくれない。どうすればいいでしょうか?

まずは、すぐには学校で難しくても、家や放課後等ディなど使えるところで使いつづけることかと思います。
それでも、わかるようになってきます。

学校へは、学校以外の予定(朝、放課後)を書いたもので間をあけて書き込めるようにした見通しメモを子どもにもたせればどうでしょうか?

その、空いたところに先生に書いてもらうようにするなどすれば、ひょっとしたら先生も使ってもらえるかもしれません。

学校や事業所には「自分たちはやっているのに、どうしてやっていただけないんですか?」という頼み方をしてみるといいでしょう。
(合理的配慮の範囲内と思います)

syunさんなら「プロちゃうな、あんたらお金もらってんやろ」というでしょうけれども・・。

「おめめどう」の考え方&ツールは、本当におすすめです。

新型コロナウイルスの流行で、今年は、当面おめめどうのセミナーが開催できなさそうです。ハルさんも有料でオンラインでシェア会にも呼ぶことができるようですので今度はお呼びしてざっくばらんに開催したいですね。

以下のFBグループでも情報交換しています。

おめめどうツールのつかっているユーザーの実例は
 「おめめどうファンクラブ
長野県での仲間づくりと情報交換は
 「信州おめめサポート

おめめは基本にして、診察はその前後や、それ以外のことをやりたいけど、まだまだその道のりは遠そうです。
長野県でも本人の視点、人権尊重から考え、ツールをつかって対話をしつつ育ち合う子育て、教育文化を広げていきたいものです。


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