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あっせんと傾聴力

本業の関係で何度か労働紛争調整委員会のあっせんというイベントと言ったら怒られますが、まあそういう紛争解決機関のお世話になることがあり、時々訪問といいますか出頭することがあります。

あっせんをご存じでない方に少し補足をすると、労使間で解決ができない労働トラブルについて、原則労働者側の申し入れで行われるもので、あっせん委員と呼ばれる弁護士や大学教授等の専門家の方が間に入る裁判外の紛争調整のことです。労使どちらが正しいか等をオープンに議論する場ではなく、誤解を恐れずに言うと、使用者側がいくらか金銭解決する意思があるなら、間に入るよという制度でしょうか(そんな制度じゃない!という専門の方等のお叱りがありましたらすいません、多分そうなのだと思います。ただ、僕はいつもそう感じてしまうもので、、、)

で、そのあっせんですが、直接双方が会わないように、お互い別の待合室で交互に呼ばれて、それぞれの主張をするというシステムなので、わりと待ち時間が長いのも特徴です。待っている間には、これからあっせんの申し入れをしようとする人と事務局の方の打ち合わせがブースらしきところで行われていて、部分的にですが、いろいろな相談が聞こえてきます。給与未払い、解雇、バワハラ等世の中本当にいろいろな相談があると感心するのですが、上手に説明される方もいれば、すごく感情的になってよくわからなくなってしまっていると思われる方もいて、どんな場合でも担当される事務局の方は本当に粘り強く丁寧に相談を受けていることに、感心させられています。傾聴力って言うんですかね。なんか同じ話を何回も繰り返しちゃう人にもそうなんですか、と相づちを打ちながら粘り強く聞いてました。僕は多分無理ですね。

傾聴力と言えば、中小企業診断士の世界でもわりと大事なスキルで、会社の社長という人の多くは人の話を聞くより、圧倒的に自分の話をすることの方が好きなので、傾聴力がプラクティカルに求められると思います。前にも書きましたが、相談と言いながら、実際には方針は決まっていて、背中を押してほしいというときや、今話したことを文書にして社員にメッセージとして送りたいので、文面は宜しく!みたいなことがほとんどです。特に後者は、話の中で社長の一番の想いをどうやって汲み取りそれを文書化するかが重要なので、単に言葉を聞くだけでなく、発言するときの表情やジェスチャー等が大事だったりします(ここがポイントだ、という表情やジェスチャー)。結構そういう意味では大変なのですが、概して前向きな話が多いので、結構楽しく文書化できています、少なくともあっせんよりはね、、、

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