立体作品ができるまで~3.出力品の磨き

前回→立体作品ができるまで~2.原型と複製

前回は複製品ができるまでをご紹介しました。
今回はいよいよ色塗り直前の磨き終わりまでやってしまいます。
そして前回の複製よりさらに地味な作業です(笑)


複製物の仕上げ
 
3Dプリンタで出力直後や、シリコンで複製直後のものは、実はそのままではまだ色塗りはできず、下準備作業があります。今回は3Dプリンタ出力物を例にとって説明します。

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これが印刷直後の状態です。表面には固まっていないレジンがついています。

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固まっていないレジンを落とすため、洗っていきます。レジンの種類にもよるのですが、通常はIPA(イソプロピルアルコール)や無水エタノールなどの薬品で行います。私は水洗いができるレジンを使用していますので、超音波洗浄機を使って洗剤で洗い流していきます。

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洗い流すとこんな感じで細かな凸凹もきれいに見えるようになります。

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その後、印刷時についていたサポート(支え)を丁寧に切り離していきます。気を付けないと切ってはいけない部分を切り落としたりします。下の写真の左耳とか一緒に折れてないですよ!

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切り離したサポート跡です。どうしても跡が残ってしまいます。

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この時点で再度UVを当てて最終硬化させます。UVレジンと同じような感じ感ですね。

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そして固まったところを電動リューターやスポンジやすりで跡が見えなくなるまで磨きます。地味に面倒な作業です。ちなみに、美少女フィギュアを作られている方は、原形の磨き作業を完璧にきれいにしないといけないため、何日もかけて磨きます(上の写真のようなレベルでは完全にNGです)

シリコン型とレジンによる複製の場合はもうすこし楽ですが、レジンの流し口の除去やシリコン型同士の合わせ目にできる隙間にながれたレジン跡をきれいにする必要があります。あとはレジンの性質上、どうしても気泡がはいるため、気泡の空いた穴を埋める作業も発生します。

 磨き編は以上です。とても退屈だったと思うので、最後デジタルとアナログのちょっとした話を。今回の例の猫ちゃんのモデリング後と色塗りして完成した写真です。デジタルの表現とアナログの出力結果って意外と違うでしょ?思ったよりもしっかりメリハリをつけないとアナログ出力結果ではのっぺりしてしまい見てわからないということになりがちです。

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次回は最終回(多分)の色塗りです。

立体作品ができるまで~4.色塗り、仕上げ編

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