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【すきは無敵だ】年間1500人以上の履歴書を見て300人以上の面接を行う人事が感じる、仕事における好きとは何なのかを考えてみた

今回、大好きな友人の奎くんがプロジェクトを立ち上げるという事で賛同させてもらった「すきは無敵だ」という企画

企画内容を聞いた時には正直、少し戸惑いがありました。奎くんが思い描く「すきは無敵だ」で実現したいことのイメージが広すぎて自分の想いを乗せられるのか分からなかったから。だけど個人的に「人にはさまざまな好きがあっていい」という解釈をして表現しようと思います。

自分の想いは何人の方に届いたのか

今回の文章を書くにあたって2020年にどれだけの人が興味を持ち関わって頂けたかを振り返ってみると、中途採用だけでも年間1500人を超える方からアクションを起こして頂いていたことが分かりました。まだ知名度も高くはない会社のことを知り→興味を感じ→アクションを起こして頂いたことは本当に感謝しかありません。

かつて求人広告の世界で営業をしていた時に「自分の言葉で誰かの人生を動かしたい」と感じていたことが、こうして現在になって実現できていることはすごく不思議な気持ちだし、「この仕事の魅力を誰よりも伝えられるのは自分だ」と思って人事に転換して携わることができているのも、自分が本当に好きだと思える仕事に出会えたからなので、幸せ者だなとつくづく感じています。

広告代理店のパートナーには申し訳ないのですが、自社で出すほぼすべての原稿を自分でライティングさせて頂き、さまざまな形でこの仕事の存在に気付いて頂いた方に「この仕事面白そうだな」「こんな仕事に携わってみたいな」と思って頂けているのだと信じて仕事をしています。

履歴書の先にあるそれぞれの人生

うちの会社が採用活動を止めずに継続して取り組ませて頂いていることも大きな要因ではありますが、今年の中途採用では年間に1500名以上の方にご応募を頂き、履歴書を拝見させて頂いてきました。もちろん全ての方にお会いすることは難しく、恐縮ながらその中の一部の方にお会いしているのですが、常に意識しているのは綴られる文字の先に一人一人の人生があるという事です。

本当かよと思われる方もいると思いますが、年齢や性別などでのスクリーニングフィルターは使わず、全文章とは言えませんが、綴られている経歴には目を通させて頂いています。そしてその方のこれまでの取り組みや出来事について想像し、どのような人生を歩まれてきたかを考えます。

しかしながら採用は会社の求める人材を探し、共に人生を歩みたい方へ想いを伝える仕事なので、応募者の方の想いを受け止められないことが多いのも事実です。でも絶対にアクションして頂いた方への敬意はなくさないと心に誓っています。(だから採用において人を選定するような言葉を使う人が一番嫌いです)

面接に至っては相手の方に頂いている時間を絶対に無駄にしないようにしています。こちらが依頼をして来て頂いている訳ですから、こちらが意図した方と異なっていたとしても相手の方は何も悪くありません。人生の中で接点を持って頂いたことが何か一つでもプラスとなるような時間になるようにと本気で思っています。

人は人生に何を求めるのか

中途の方と新卒の方(社会人として仕事を経験している方と、人生において仕事を経験していない方)とで考え方は大きく異なると思うのですが、一部の方の中には仕事に「愛情」や「想い」をお持ちでない方もいます。正直に言うと、かつての自分は価値観が異なる方に理解を持つことができませんでした。

自分の考えが変わったのは、ある尊敬する先輩に「仕事めっちゃ楽しいです」と伝えたときに「仕事が楽しいなんてほとんど思ったことないな」といわれた経験が一つ。すごく仕事ができる方で大好きな先輩だったので、聞いた瞬間はすごく戸惑ったのですが、なぜかすっと「仕事ができる人でも、こういう考え方をするんだな」と納得したことを覚えています。

もう一つは、ある方と自分のキャリアについてお話しさせて頂いた時に「そんなに仕事が好きだって言い切れる方に出会ったのは初めてです」と言われたとき。「自分の価値観は世間的にマイノリティ(少数派)なんだな」と思いました。そして「仕事が好きじゃない」は普通のことなんだと理解しました。

価値観は強要するものではない

「すきは無敵だ」の企画に参加するにあたり「好き」がどういう状態にあるべきかをすごく考えました。確かに「好き」を発信した時に「好き」の大きさに遠慮してしまう人がいることや、「好き」の程度を比べてしまう人、「好き」をなかなか発信できない人がたくさんいるのだろうなとも思いました。

自分はさまざまな「好き」があって、その一つ一つが特別なものというよりは「自分を構成している要素」の一つでしかなく、誰かに「好き」を伝えたいと思えるものや、誰かの「好き」と比べたいと思えるものはあまりないなと気付いたり。でも「好きなこと」が一緒な人と「好きなこと」について話すのは「好き」だなと思ったり。

何が言いたいのかというと、個人的には「人にはさまざまな好きがあっていい」とと思うし、「好き=一つの価値観」は誰のものでもなく自分のものだと思いました。

人事として大事にしている想い

だから人生の転機において転職を考えている人が「好きな仕事」を求める人ばかりではなく、「生活を豊かにすること」や「辛い現実から逃れること」「大切な時間を守れること」を理由にしていてもいい。価値観が違っていたとしても「会社で同じゴール」を目指せる人と出会い、共に歩むという人生の決断をしてくれることが採用においては大事なんだと思います。

すべての人事に関わる人が、全ての採用に関わる人が、人の想いや価値観をどうか否定するようなことがないように、人生の時間の一部を使ってくれる採用の時間が、入社に至る人だけでなく、入社されなかった人も含めて人生の中で輝けるように。これからも「僕の好きな人事の仕事」を続けていこうと思います。

#すきは無敵だ

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