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本の備忘録

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16年前くらいから、読んだ本の備忘録として、それから未読の積読本も相当溜まっていたので重複して購入しないようにと、書評というには拙い内容をとつとつとブログで綴っていました。 6…
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2022年3月の記事一覧

部下の成長

以前、地域の会社を3社兼務していた時に、自分が住み暮らしていた地域の会社の業績だけがどうしても回復しませんでした。 その時に上司から一冊の本が贈られてきました。 タイトルは、「最高のリーダーは何もしない」。 手紙も何も添付がなく、ただ本だけが送られてきましたので、本の内容から上司の意図を読み取るしかありませんでした。 実際にはタイトルどおりに「何もしない」というわけではありませんが、一番しないといけないことは企業理念や方針を伝え続けていくこと。 そして、それを受け止

男の品格とは?

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年8月24日に投稿したブログより。 久々の教養本。ホント小説ばかりしか読んでなかったですし。 これは上司から薦められました。 しかも夜のお付き合いでご迷惑をおかけした相手からだったので、手渡されてタイトルを見た瞬間は、アチャーッという感じでした。向こうもニヤッとかこころもち笑っていましたし。 ただ、読み進めていくうちに、あ、あの人は私にもっともっと成

名前をもらった女流棋士

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年8月29日に投稿したブログより。 娘の名は棋士である高橋和さんからヒントを得て、というか、まんまいただいております。 で、ご本人のことをどこまで知っていたのかというと、娘の名前を決めた時には正直知っていたのはお名前だけ。 本書の単行本版を読んでいたのは私の両親の方で、ちょうど娘が生まれた際に、本やらテレビやらで目にしていたらしく、いい名前があると薦め

殺し屋小説の佳作

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年7月12日に投稿したブログより。 めちゃめちゃ抜きん出ている訳ではないけれども、新作が出るたびに手にしてしまう、そんな作家の一人です。 殺しの動機や、痕跡をきっちりと消して仕事をすることからも、消し屋を名乗る主人公の殺し屋小説。 一匹狼の主人公が淡々とターゲットを見定めたり、語ったりするあたりは、ローレンス・ブロックの殺し屋ケラー・シリーズを彷彿とさ

優しいお話

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年7月26日に投稿したブログより。 このテイスト好きです。 博士の愛した数式を読んだ時には、あまりにも作品自体がメジャーになっていたので考えもしなかったのですが、小川洋子のテイストって結構いしいしんじに似ているのかも、と今回読んでみて感じました。 フワフワとした感覚の中、意味不明と言うかヘンテコリンなキャラクターが出てきて、何だか分からないうちに絵本の

ブ厚くても一気読みで最高の読後感

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2005年12月21日に投稿したブログより。 おそらく今年読んだ中でも1,2を争う家族小説の佳作です。 前から気になっていたのですが、案の定今年の文庫王国ベスト1の座を獲得。それも納得の読み応えです。 娘二人と両親の四人家族が主役ですが、母親は20年以上のプチ家出中、お父さんは変化やトラブルを嫌う超ことなかれ主義、姉は甲斐性なしの男へ貢ぐことを生き甲斐とし、妹

ノンフィクションの佳作

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年7月4日に投稿したブログより。 いや、いい!!やっぱり、とてもいいです。 昨年読んだ本のナンバーワン、「聖の青春」と同じ作家による、同じ将棋が舞台のノンフィクション。 この人自身が将棋の世界の人だったこともあり、めちゃめちゃ想いが入っていますし、取材相手も皆作者のことをよく知っているので、ノンフィクションと言うよりは、むしろ自伝と言うか私小説のような

巧くて泣かせる短編集

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2007年8月28日に投稿したブログより。 親友が亡くなった男の子。 息子が突発性難聴に。 子供の脳内に悪性腫瘍が。 下半身麻痺の息子との軋轢。 などなど。 こういうのをさらっと描かせたら、非常に巧いこの作家。 ある日突然日常に降って来た苦しみ。 再び立ち直っていくその過程をしみじみと描くので、当然お涙頂戴となりますが、それを嫌味なく描ききるところが巧さ

紙面上で現場体験を

実際の現場のスタッフさんたちは共感して読まれるのではないでしょうか。 わずか120ページ余りの、マンガ本というには軽量ながらも、その中身はたっぷりと私たちの仕事の要素が詰まった一冊。 病院で患者さんを診るのと違って、その方の家でのあり様に関わっていく。 人もそれぞれですし、訪問するそのお家の中の様子や、ご本人とご家族との関係性、その上でご家族とこちらとの関わり方も千差万別です。 パステルカラーの柔らかいタッチの絵の中に、突然ギラリと射し込まれるリアルな表情や場面。