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不朽の名作、Xperia PRO-I

XperiaといえばプロフェッショナルモデルのXperia PROシリーズ、フラグシップモデルのXperia 1シリーズ、コンパクトハイエンドモデルのXperia 5シリーズ、ミドルレンジモデルのXperia 10シリーズやエントリーモデルのXperia Aceシリーズが思い浮かぶ。
多くのXperiaユーザーは一般ユーザー向けではないXperia PROシリーズを触ったことがないだろう。
しかしXperiaを語る上で絶対に外せないのがXperia PRO-Iである。一度でもXperia PRO-Iを触ってみればXperiaの本当の良さが分かる。
今回はその理由について書いていこうと思う。


Stands for “Imaging”

2021年10月に発表されたXperia PRO-I。Xperia PRO-Iの“I”は“Imaging”を意味しており、その名の通りカメラに特化したXperiaである。
焦点距離24mmの広角カメラにはソニーの高級コンパクトデジタルカメラ、Cyber-shot RX100シリーズにも搭載されるイメージセンサーをスマートフォン向けに改良した1"にもなる大型イメージセンサーを搭載。F2.0とF4.0の2段可変絞りを備え、Carl Zeiss Tessar T*ガラスモールド非球面レンズにより高コントラストで抜けの良い優れた描写力を実現。更に動体歪みを抑えるアンチディストーションシャッターや12bit RAW記録にも対応と至れり尽くせりである。


Xperia 1 IIIとの比較

まずは同年に発売されたフラグシップモデルのXperia 1 IIIと比較していく。
一番の違いは搭載されるイメージセンサーだ。Xperia 1 IIIはIMX557を搭載し記録12MPでセンサーサイズは1/1.76"であるのに対し、Xperia PRO-IはIMX478を搭載し記録12MPでセンサーサイズは1/1.33"だ。ここでアレ?と思う人が出てくるだろう。Xperia PRO-Iは1"センサーを搭載してはいるものの総画素数の21MPで1"になるのであり、有効画素数は12MPである為に実質1/1.33"になるのだ。それでも1/1.76"からかなり大型化されピクセルピッチも大きいXperia PRO-Iの描写力は圧倒的である。更にXperia 1 IIIのRAW記録は10bitであるのに対してXperia PRO-Iは12bitだ。RAWの現像耐性でもXperia PRO-Iの方が高い。
Carl Zeiss Tessar T*ガラスモールド非球面レンズにより高コントラストで抜けの良い高い描写力を実現。目に見えて分かるレベルでXperia 1 IIIとは明らかに質の違う写真が撮影できる。
おまけにXperiaが得意としている動体の撮影もアンチディストーションシャッターにより動体歪みの少ない写真に仕上がる。


これぞホンモノのXperia

Xperiaはソフトウェア制御によるオート撮影が弱く、マニュアル露光前提のカメラである。だがXperia 1 IIIを見ての通りセンサーサイズは小さいし、レンズもしょぼいし、RAW記録もたったの10bit。マニュアル露光に頼るのであればハードウェアを強化するしかない。よってXperia PRO-Iのようなカメラが求められる。
翌年に発表されたXperia 1 IVもXperia 5 IVもIMX557を続投。レンズも10bit RAW記録も変わらない。実際スマートフォンヲタク達がXperia 1 IVやXperia 5 IVを買ってXperiaユーザーになりエアプでは無くなったことで散々こき下ろされた訳だが、それはソニーがフラグシップモデルやハイエンドモデルにもしょぼいカメラを搭載しておきながらマニュアル露光前提のままなのが原因である。
話をXperia PRO-Iに戻すが、F2.0とF4.0の可変絞りにより表現の幅が広がる。開放すれば明るいレンズによる夜景撮影ができれば、自然なボケも表現できる。絞ればシャッタースピードを伸ばして車のテールランプが流れる写真を撮影できたりボケの少ないシュッとした写真も撮影できる。
この様な点から撮影体験を重視するXperiaに相応しいカメラであると言える。
マニュアル露光とXperiaが得意とする動体の撮影を高いレベルで達成できるのがXperia PRO-Iしか無かった、というのがXperia PRO-Iが名作であり続けた理由である。


Xperia PRO-Iの後を継ぐXperia 1 V

Xperia PRO-Iの発表から翌年に発表されたくせにしょぼかったXperia 1 IVと違ってXperia 1 Vは2層トランジスタCMOSのExmor T for mobile IMX888を搭載し、総画素数は52MPでセンサーサイズが1/1.35"まで大型化した。有効画素数48MPのピクセルビニングで記録12MPであるから実質1/1.4"程度になるのだがそれでもIMX557の1/1.76"に比べたらかなりの大判である。Carl Zeiss Tessar T*ガラスモールド非球面レンズやアンチディストーションシャッター、可変絞りを搭載せず12bit RAW記録にも対応していない為にXperia PRO-Iには及ばないものの、2層トランジスタCMOSと夜景モード搭載によって低照度での描写力が高くなっているXperia 1 VはXperia PRO-Iの後を継ぐXperiaと言って良いだろう。(筆記当時はまだ手元に届いていないのでエアプでちゅ🥴)


究極で完璧のXperia PRO-I

もちろんXperia PRO-Iにも課題がある。それはSoCが2世代型落ち、バッテリー容量が4,500mAhしかない上に電池持ちが微妙、望遠カメラが弱い、更にOSのアップデートもセキュリティアップデートも打ち切られそうになっていることである。
だがしかし、発表から2年経った2023年でもXperia PRO-Iを超えられるXperiaは未だに発表されていない。2年前の機種とはいえXperia PRO-Iのカメラは優秀であり、Xperiaの本来の持ち味を活かせるのはXperia PRO-Iだけなのである。Xperiaの本当の良さはXperia PRO-Iを使わなければ分からないのだ。

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