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花野井くんと恋の病、を読んだ感想

少女漫画が読みたくなってネットで調べて見つけました。 とても人気な少女漫画です。キャラクターの過去など重いテーマもあります。 でも、軽い感じの所も沢山あり、読みやすくて面白いです。

少女漫画らしいフワッとした感情の描写があります。 でも、それだけではないです。他の色々な表現が混ざっていると思います。 とくに背景の使い方が凄いです。その辺りを説明しようとしました。私が読んだのは5巻のみです。


メロディのようなパート使い

5巻を読んだ最初の印象は、表情が一番に輝く所がある。 という所でした。

上の譜面のような感じです。お話を作っている言葉、キャラ、背景をパート別に譜面にしてみました。 黄色い枠の所を見てください。ここだけ大きな表情になっていて、キャラのソロパートです。こういう所が必ず一話に一ヶ所ありました。

黄色い枠の前の、緑の枠の所のような所もありました。 輝く表情をみせるために、その前は、 キャラの表情を隠したり、他のパートで盛り上げたりしてます。こういう法方がとてもうまいと思いました。全体的にとてもキレイなメロディのようだと感じます。

リズムのようなものを上のコマ絵から感じないでしょうか。 キャラと、レンガの背景と、青で塗った余白、の組み合わせです。フキダシなどの言葉は抜きました。

花野井くんと恋の病では、こういった一定のものが、リズムになっていると思います。キャラと背景と余白の3つで、出来る組み合わせは7通りです。 あれ?以外と少ないです。 でも、余白を使っている分、組み合わせは増えています。余白があるとスッキリ見えるので、キレイなメロディのように感じるのではと思います。

背景という脇役

スッキリみえるといっても、それぞれ沢山の見せ方で使っています。 それは本当に沢山あると思います。特に脇役に見える背景の使い方が、凄いので考えてみました。

まず上のコマの風景のように、キャラが居たら何をしてるのか分かる背景が使われていると思います。5巻では、 駅のベンチ、ドア前の玄関、学校の廊下、駅ビルの前の階段、とか色々です。何かのシチュエーションが発生しそうな所が描かれています。

そして、それはシーンを切り替える為に使われています。花野井くんと恋の病は、シーンがとても多いです。長い過去の話だったり、1日の色々な事だったりです。 どこで何があったかを、背景を入れ替えて描いてます。 シーンを沢山作れる、背景の使い方をしていると思います。

上手くいきませんがこんな感じかもしれません。空白のコマを入れると合うより配置を開けてる感じです。余白と背景を交互に入れ替えて沢山場面転換をしていると思います。とても読みごたえがあります。

また背景はこのように、見ることで何であるのか分かります。モンタージュというそうです。それは、パッと見て一瞬で分かります。使われている背景も、一瞬で分かり、全てがお話と合っています。 ということはとても的確な背景の入れ方をしているということだと思います。凄い。

セリフのないこういうモンタージュは、第24話のダンクシュートの前に使われています。一瞬の出来事の盛り上がりが、分かります。凄い。

背景と余白とキャラ

花野井くんと恋の病では、背景と入れ替わった余白に心情が隠れてると感じるコマが沢山あります。それがお話の中で続いています。

真似して描いてみました。キャラの角度や大きさ、バルーンをつけましたら、それらしくなりました。ですので、複合的なもので出来ていると考えます。2コマ目がそうですが、この余白についた印象は4コマ目の余白に引き継がれます。不思議です。こういうのを巧みに使っていると思います。

背景を抜いて心情的にしたり、逆に背景を入れて客観的にしたり、しているのかなと思います。1つの余白に心情を込めるために、他のコマに背景を入れてると思う所もあります。

こちらも真似して描いてみました。背景とキャラのスケール(コマに対するキャラの拡大・縮小とトリミング)です。キャラのスケールを使って、3人が合流する所を描きました。

するとなんと、背景は1コマ目だけに入れれば大丈夫な感じになりました。5コマ目の3人が合流する所は、背景は必要そうだけれど、背景がなくても位置と距離、状況は分かると思います。
ですので、小さいコマなら背景はなくてもいいかなと感じます。キャラのスケールを使うと背景を省略できます。とても不思議です。

こういう風に使われているのか分からないけれど、花野井くんと恋の病には、背景がないけど、背景がない方がいいような所が沢山あります。

まとめと追記

花野井くんと恋の病ではとくに背景が好きです。ストーリーを展開させ、言葉やキャラを支え、役目を終えたらさっと消え、余白となってキャラの心情を表します。それに繊細でフンワリとしたタッチで、いい雰囲気です。

追記ですが、初めの方で「メロディのようだ」と書きました。言葉や、キャラや、背景、が別々の種類の楽器みたいということです。この3つ以外にこの楽器ってないかなと考えます。

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