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メイドインアビスの感想と漫画技法考察

メイドインアビスの漫画を読んだ感想です。キャラが可愛くて、動き回って見えるのが好きです。それも目の前で動いているような、臨場感がある動きを追って読むのが面白いと思います。

お話に残酷な所があります。しかし、傷つくキャラの心と身体とセットになっていて、その残酷さを考えると深いです。その傷つく、可愛いキャラの身体には医学的な中身(神経とか内蔵とか)がありそれもその深さと思います。

メイドインアビスは巻が増えるにしたがって漫画の描き方が変わっていっているようですが、この感想は3巻辺りの感想です。この辺は、まるで絵本と小説と何かの設計図を同時に読んでいるかのようで、ギュッと詰まった感じです。

ナナチのキャラデザインと呪いについて

ナナチというキャラのデザインをよく見ると、うさぎの耳にヤギの瞳孔に筆のような尻尾と色んな動物がブレンドされているようです。下の図のような感じです。フワフワ仕様でとても可愛いです。

ナナチがこういう姿なのはアビスの呪に含まれる祝福のせいということですが、6層の呪いで人が変形するのは、動物の形が無理やり人にブレンドされて形が崩れていくようにもみえます。このようなブレンドされるというのは何回か繰り返されてお話に出てくるのでモチーフになってると思います。いったいどうしてでしょうね、気になります。

そして、そのブレンドされるということには残酷さと痛みがともないます。死ねなくなるとかです。これは、作中のキャラクターにはあらがえない、大きな決まり事だと読めます。まるで進化の法則に支配される遺伝子みたいな、大きな物語みたいなのかなと思います。

ファンタジー小説みたいな読み応え

ここからは漫画技法の考察になります。メイドインアビスの漫画には、冒険ファンタジーものに使えそうな表現が揃っていると思います。

  • 戦うアクション

  • 地図通り進むワクワク

  • 新しいキャラとの会話で新しいことが分かる

  • キャラのモノローグで場面が進む

とかです。いづれもキャラを動かして表現してると思います。それがとても冒険している感じに見えます。

これらはいろんな方法で表現されています。たとえば、キャラのモノローグで場面が進む、ですが、こんな感じです。

キャラの表情の間に他の場面やモノローグを挟み込んだりです。よく、レグのモノローグが挟み込まれたりして話が進みます。カットバックとかいうそうです。キャラの動きをたくさん描いて、その間にカットバックで場面を挟むことで、繋がった色々なことと読めます。それが物語っているという感じになっていると思います。

また、レグとナナチの会話のシーンで、レグがナナチにいわれたことにリアクションするというのがあります。アニメーションみたいに動いて見えて面白いと思いました。下の3コマみたいのです。こういうのをリアクションというそうです。

キャラの動きと文字の組み合わせ

メイドインアビスではキャラの動きに合わせて、文字が組み合わさっています。そのことについて考えました。

上の3コマみたいなキャラの動きが多いいと思います。何かしてるというのがわかる、キャラの絵の繋がりです。そのせいで何か言ってるのも少し分かります。作者の人は、キャラを動かしたいんだと思います。動かすためには、文字をあんまり付けなくて、沢山のこのようなキャラが動くコマを並べる。でも絵をちゃんと見てもらわないとキャラは動かないので、動きのコマには何らかの文字をつけたり、目に止まるアングルにしたりしてる、のではないかと思います。それがとても上手いのでキャラがその場で動いているような臨場感があるのではないかと考えます。

キャラの動きと文字の関係ですが、メイドインアビスのようなキャラの動きで見せる漫画では、動きの絵と1種類の文字の情報を組み合わせたコマを繋げているのをよく目にします。1種類の文字とは、フキダシとか、モノローグとか、擬音語とかどれか1つのことです。1種類との組み合わせで1コマはとてもシンプルですが、その代わりキャラの動きをアニメーションの様に追えます。そして、他の種類の文字と組み合わされたコマと繋がっていると、とても複雑な繋がりに見えます。

うまく描けませんがこんな感じです。キャラの動きで3コマ繋がっていますが、1コマづつ文字の種類が違います。
こういうことを不思議だなーと思いつつメイドインアビスを読み返したりしてます。

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