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【双極性障害と今日この頃-2021年8月19日】
異常を異常と自覚できない
最短16日後の奈落に気を取られていたら、すでに十分おかしい状態だった。
ただただ眠い。寝る気がなくとも眠い。
ようやく起き上がっても、その時点でもう体が重い。沼地を歩いているように足が上がらない。生ぬるい泥の塊が背中に張り付いて、ありもしない重さに背が曲がる。息が切れる。
立っていられなくなってイスに座っても今度は座っていることすらキツくなり、結局、数分と経たず布団の上に転がる。投げ出した手足はまともに力が入らず、寝返りを打つことすらできない。
布団の上に転がったら、次は目を開けていることが苦痛になってだんだんとまぶたが落ちてくる。気づいたときには世界は黒一色。
そのうち視覚も聴覚も思考もにじんできて、いきなりぷつんと時間が途切れ、次の瞬間には目が開いていた。目が覚めた、ではなく文字通り目が開いていた。数時間の空白は質の悪い何かが食ったのだろう。
程度の差こそあるものの、似たような状況を数日くり返し、ある瞬間、唐突にこれが「異常」事態だと自覚する。わりとマヌケな話だった。
最短16日後の奈落より、突発的な異常事態に日頃から注意を払うべきだったここ数日。
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