言葉の檻のなかで吼えている獣 中島敦の詩的遍歴 #4 「文字禍」
言語の限界と「現象to現象」
僕たちは膨大な情報量の世界を見ています。あるいは、夢を見て、目覚めたあと、誰かにその夢の光景を語ろうとする。ポツポツ……と思い出した光景の断片を言葉にしていく。が、まったく夢の全貌が伝わらなくてもどかしい。などということは日常的によくあるわけで、僕たちはものを「考える」とき、言語外の認識もしているのです。そして、それを、自分なりに「落とし込む」ときに、言語化するんですね。僕もいま、こうして、「言葉」を書いて、「落とし込む」ということをしているわ