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2023/08/27 多分、これで、大丈夫、だと、思う、きっと、恐らく

私は過去に2度、大変ありがたくもコンテストで賞を頂いているのだが、その2作はどちらも2021年の夏から冬にかけて書き、投稿したもので、連続して受賞した形になる。すげぇ。その後、数えるのも嫌になるほど公募に落選し続けている今となっては完全に他人事……。

それで、実はその2作品の間、もう1作書かれた中編小説が存在した。

これは書いた当時、ちょうどいい小説公募がなくて、まあいいや、と適当にネットに放流してそれきりになっていた。それを今年の三月くらいに再発見して、読んでみたら刺さった。自分で書いて自分に刺さるって真上に放った矢かよってんだけど、自分で作ったり書いたものは基本、愛着が湧くものらしいので、単なる正しい意味での確信的手前味噌なのかも知れんと思いつつ、発酵させっぱなしも良くないと思ってハヤカワSFコンに出したら当然のように落選した。
改めて見直してみたら、まあ、なんというか、人に読ます気ないレベルで何もかもが大暴れしており、恣意恣意シイシイの実の能力者かよ、というくらい好き勝手やってた。それを読んでなんとも思わずに刺さった! とかいって(もちろん多少手直ししたけど)衝動的に投稿する三月の自分もどうかと思った。あまりにも難解で大変なので、これを書いていた当時、自分が何を読んでいたのか遡ってみたら村上春樹だった。

結局、何度も読み直し、なんとか人様に意図したものが伝わって欲しい頼むからという思いで直して、小説家になろう先生で募集のあったアニーク大賞に応募した。
こちらの賞はPV評価感想ブクマいいね等も選考対象に含まれるということなので、よければPV回しだけでも良いのでアクション頂けると嬉しいです。

それと、同日〆切の集英社ライトノベル大賞王道部門に投稿した。
34×42で200枚まで、文庫本でおおむね400頁相当。ラノベ新人賞では多くとも150枚上限が普通なので、チャレンジングだと思う。無限に書けるやんけとのんびりプロットを作って書いたら、最終的に206枚になってしまった。
…………。
以前の公募投稿報告記事では、枚数を気にしながら書くのが気が狂うほど嫌、という話を書いたが、これでもう、気が動転してしまった。

その後、削って200枚に、また後で更に詰めて199枚に縮んだ。7枚減らしたと数字だけ見ると割と手を入れた感があるが、全体が200枚あるので、ざっくり250行詰めるのが目的なら1枚につき1~2行節約すればいいので、ちゃんと推敲しただけでなんとかなった。これが120枚程度のものだったらワンシーンをカットするレベルの調整になる。長くて良かった、と思った。

ところで、応募時にテキストは.txt形式で提出する。このことは知ってたけど、応募要項に「改行や章のページ送りなどで規定枚数をオーバーしないように気をつけて」みたいなことが書いてあって、ちょっと肝が冷えた。
要するにこの一文は、あくまで文庫本見開きベースで書いてね(文字数ベースでメモ帳にベタ打ちするな)という注意勧告なのだが、文量を気にする自分は「章のページ送り」って何だ???? と引っかかってしまった。
確かに、書籍で読むなら章が変わる時にページが改まるのは当然に思えるけど、書いている最中では必然ではない。今作は全10章立てでいずれも改ページしないつもりで書いてきた(どうせ応募する時テキスト形式にしたらただの行空けと変わらないし、という判断)。でも「章のページ送り」ってわざわざ応募要項の注意事項に書くってことは、章ごとにページを改めるっていう界隈の暗黙の了解があるってこと? だとしたら余裕で枚数オーバーなんだけど、と不安に苛まれた。

一見すると些細な問題かも知れないし、普通に考えて、テキスト形式で募集したものを下読みの段階でわざわざ、あ、ここ章変わりだから改ページして……あ、枚数オーバーやん! ってやるか? 無数の応募作がある中で? とは思う。ページ送りの意思を示さない限り、その通りに取ってもらえるはずだと思いはする。
でも、この業界は知らないとそれだけで落ちるような初見殺しもあるし、そんな「もしも」を軽視した結果、三ヶ月かけて書いてきたものが二秒で落選確定するのが一番精神に来る。文量が多いのでほかの賞に出す……というわけにもいかない。問い合わせようにも時は〆切当日の午前四時。ググってもWebのページネーションばっか出てくる……知恵袋の新人賞応募の章立てについての質問にも「作者が好きにすればいい」みたいな回答ばっかり(それはそう)。

仕方ないので全10章を解体して再構成し、全3章立てにした。これで改ページ操作があるとしても二回で済み、その上で規定枚数に収まるように文も調整した。多分、これで、大丈夫、だと、思う、きっと、恐らく、maybe…みたいな「星のカービィ プププでデデデなものがたり」で殺害予告が届いたデデデ大王みたいにガクガクしながら投稿した。

こうまで心を砕いたところで、なんか、すんなり落選するビジョンが見えてしまう。自信のなさとはまた違う。コード進行を鳴らしている時、次に来る和音に対する予感みたいなものだ。
ただ、それ以上に恐ろしいのは、こうまで鳴かず飛ばずで来て散々失望してきているのに、〆切二日後の今もう、次作の核心的なアイデアが出てプロットを考え始めている自分である。
ええ……投稿作、あんなに愛着持ってたやん……とドン引きして少し凹んでいる。

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