統合失調症の私が伝えたい5つのVol58

77 妙さんへのインタビュー

また、私が大きく変化することができたきっかけを下さった、妙さんにもインタビューをした。
 
妙さんは、現在68歳である。離婚した元夫との間に、4人の息子さんたちがいる。妙さんの元夫は、アルコール依存症だった。言葉のDVもひどかった。
 
妙さんが、母親の介護をしている時に、夫の状態はますますひどくなり、妙さん自身が、カウンセリングを受けて、カウンセリングというものを体感した。その後、元夫とは離婚した。
 
2010年に、友人に誘われて、心理学の講座を受けて、約5年間そこで勉強された。講座を受講したり、アシスタントなどをしたりもした。
 心理学の講座の理事長から、
「今は、病気と認定されている人と、病気とは認定されてはいないが、ボーダーラインにいる人が増えている。これから、カウンセリングは、ますます重要になってくる。大学で、きちんと勉強してはどうか?」
と、勧められて、60歳の時に、橘大学の通信課程の、健康科学部心理学科で、心理学を本格的に学んだ。そんな妙さんに、私が質問したいことを聞いた。

Q.なぜカウンセラーになろうと思ったのか?

 「話を聞いて欲しい」という人が、家にたくさん来ていた。それを仕事にすることはできないだろうか?と思ったことがきっかけである。

Q.カウンセリングとは、何か?

国分康孝氏によると、カウンセリングとは、「言語的、非言語的関わりを通して、行動の変容を試みる、人間関係」である。話をしている人が、カウンセラーと共に、自分の問題を解決するお手伝いをするのが、カウンセリングであると考えている。

Q.私のような、統合失調症の患者に、カウンセリングは有効か?

有効かどうかと考える前に、まず、「カウンセリングを受けてはいけない人」がいるということについて、述べなくてはいけない。
カウンセリングが引き金になって、余計に悩む人も中にはいる。また、カウンセラーに依存する人も、カウンセリングを受けてはいけない。

また、病気を扱えないカウンセラーは、病気の人のカウンセリングを引き受けてはいけない。それらを踏まえて、暮島さんが、統合失調症であるということを自己開示できるようになったことを思い返してほしい。より人間的な関わりを持つことができるようになったのではないだろうか?

Q.妙さんは、統合失調症をどう捉えるか?

統合失調症の因子を持っていなくても、その人の置かれた環境や家族関係、投げかけられる言葉などによって、強く発症する人もいるし 、しない人もいる。特に「言葉」は大切である。また、統合失調症という診断名がついていなくても、統合失調症のような人もたくさんいる。

Q.統合失調症患者が気を付けるべきことは?

集中しすぎないことが大切だと思う。統合失調症患者は、集中力もあるが、そのことによって、欠落していくものも大きいと思う。「なぜ、過集中になってしまうのか?」と振り返ることが、大切だと思う。

Q.カウンセラーとして、今後やっていきたいことは?

自分自身を見つめる習慣が、多くの人につけばいいと思っている。カウンセリングは、病気の人が受けるものと言った捉え方ではなく、カウンセラーとの対話を通して、自分で答えを見つけて、解決していくものと考えて欲しい。自分で解決する能力を持った人を増やしていきたい。そして、その人が、違う誰かの支援者になって欲しい。
 
悩みのある人が、誰かに話を聞いてもらえるだけで、救われるということが、確かにあると思う。そんな人間的な関係性を作っていきたい。そうすれば、社会が変わっていくはずだ。
 
カウンセラーが、上手に話を聞くことによって、クライアントが、自分で考えを整理することができる。自分で自分の事を考えられるように、話を聞くことが、とても大切だと思う。そのために、カウンセラーは、常に学び、自分自身を鍛錬する必要があると思う。


妙さんは、私が自分の内面と向き合うきっかけを下さった。自分の気持ちを吐き出す事、それによって、私はたくさんの気づきを得ることができ。成長することができた。私が楽しんでいるClubhouseや、大きく変化することができた、赤羽雄二さんの「0秒思考」を教えてくださったのも妙さんである。妙さんとの出逢いに、心から感謝している

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