記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

ドラマ『放送禁止3 〜ストーカー地獄編〜』の感想を書き綴る


今回は『放送禁止』TVシリーズの3作目を観たので感想を書こうと思います。 

がっつりネタバレもしてるのでご注意ください。

◎あらすじ

・2003年3月、番組スタッフはフリージャーナリストの筒井令子と共に、ストーカー被害で悩んでいる佐久間希美さん宅を訪れる。

・取材中に鳴り響くインターフォンの音と、それに固まる希美さん。
スタッフも緊張した面持ちでやりすごす。
筒井がドアを見に行ったときには外に誰もいなくなっていた。

・スタッフは希美さん宅のドアと、マンションの郵便受けが映るように隠しカメラを設置する。
すると、そこには黒ずくめの男が不審な行動をしている姿が映る。

・男がポストに残していった封筒を希美さんに渡すと、様子が一変。
中に入っていた男と希美さんのツーショット写真を見て、怯えた様子で取材を中断させ、寝室へ篭ってしまう。

・落ち着いてから聞き出したことによると写真の男は3年前に一時期付き合っていた男性Aで、別れたあとにしばらくストーカー行為を受けていた相手らしい。知り合いだったので、警察にはまだ突き出さないつもりの希美さん。

・しかし日に日に憔悴してくるのを見かねた筒井は、Aにストーカー行為をやめるよう交渉しようと、Aの会社へ電話をするが……

そこで聞かされたのは『3年前にAが亡くなっている』ということだった。

まだ確証が持てない筒井は、Aの家族に許可をもらい自宅取材に赴く。
通された先にはAの遺影が飾られた仏壇があった。
確かにAは亡くなっていたのだ。

・『3年前にAは亡くなっていた』こと『ここに来ているストーカーはAではない』ことを話すと希美さんは恐慌状態に陥る。

そこに再び鳴り響くインターフォンの音。バンバン叩かれるドア。

恐怖が最高潮に達した希美さんは逃げ込んだ寝室で頭を掻きむしりながら、『ある事』を口にする。

筒井は、それを撮影できたことを確認すると映像は終了。

とある理由から、番組撮影は中止になり、この映像も放映されることはなくなった……


◎考察・感想

✤この映像がお蔵入りになった理由は?

最後に『希美さんが何を言っていたか?』が焦点になるかと思います。

まあ先に結論を言うと『3年前にAを地下鉄に突き落としたのは私』だと
罪の自白をしたということです。

ドラマ最後に細々とバックで聞こえてたのはたぶん、希美が警察に捕まったニュースだと思われる。

✤筒井は何が目的だったのか?

Aの自宅に飾られていた家族写真に、ちゃっかり筒井も写ってますね。
つまり、冒頭で筒井が言っていた『ストーカー被害で命を奪われた兄』とはAのこと。

Aの事件は自殺か事故として処理されたが、不審点があったから独自で調べてたんでしょう。
確実な証拠がないから、逮捕するためには本人に自白させるしかない……!ということで、今回の茶番を仕組んだ。

✤ストーカー男は誰だったの?

ここはドラマ中では何も言及されなかったので、カメラ映像から推測しかできないけど……

手を取って一緒に逃げたとこから見ると親しそうな間柄に見えるよね。
友人、親類、恋人あたりにストーカー役として手伝ってもらったのかなぁ。

✤希美は何に怯えていたのか?

希美さんの最後あたりの怯え方、尋常じゃなかったですよね?

私はこれ『Aを殺したことが誰かにバレてる』と気づいたからじゃないかと思うんですよね。
以下に、そう思うに至った点を挙げていこうかと思います。

・筒井にストーカーの心当たりを尋ねられた時に「過去に付き合った男性」について黙秘している。

・A の写真が送られてきたときになって初めて『3年前にAと付き合っていて、別れた直後に付き纏われていた』と証言する。

・はじめはスタッフ設置のカメラに「犯人が映ったら、すぐにでも警察に持っていく」と言っていたのに、Aの写真を見たあとは一転「知り合いだったので、警察にはまだ行かない」と言っている。

・筒井に「ストーカー男がAだとわかって、どういう気持ちですか?」と聞かれて「まさかと思いました」と答えている。

3年前に一度ストーカー被害に遭ってるなら、今回もまずはAを疑うんじゃないかと思うんですよね。普通なら。

でも希美さんは3年前にAを地下鉄に突き落として殺していたから疑わない。
死んでると思ってるから。

さらに希美さんはAの存在をなるべく隠しておきたかったから黙秘した。
変に調べられて、自分の行為が明るみに出ても嫌ですからね。

Aの写真が出てきたところから希美さんの中では、今回のことは様変わりしてたんじゃないかな?

ただの『ストーカー被害』から『過去に殺したと思ってたAからの脅迫』に。

「覚えてますか?」「思い出して下さい!」「思い出せ」という写真裏のメッセージもこう考えると違う風に感じ取れませんか?

たぶん、途中までは『死に損なったAが復讐しようとストーカーしてる』くらいに思ってた。
Aが生きていて「希美さんに突き落とされた」と言っても証拠がないから、今も捕まらず無事でいる。
だから大丈夫だと、ある程度高を括っていた。

でも、筒井から「Aは確かに死んでいる」と聞かされ、『第三者が自分の罪を知って脅迫している』ことに気づいて最後に恐怖したのかな……と。

Aの写真が送られてきたときに、カメラ止めさせて寝室こもったのは、自分の都合の良いストーリーを考えるためだったのかなぁ、とか邪推。

実際ストーカー行為をしてたのは希美さん側なので、『Aに付き纏われた』っていうエピソードはウソなわけでしょ?

(ここ、カメラ止めたフリして床に置いて撮影してたのは筒井の指示なのかな〜。いつ自白してもいいように。)

とか、色々考えさせられて面白い作品でした。
こりゃ確かに放映できないわ(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?