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熱量を持つ人が、ゆっくり手軽に楽しめる場を。無人店舗の会員制シミュレーションゴルフ場で「hacomono」が果たした役割

西巣鴨駅から徒歩約1分。駅に直結したビルの2階には、1月25日にオープンした会員制シミュレーションゴルフ場「Flawless Golf Club」があります。高級感あふれる個室1ブースで構成されるこの店舗では、ラウンド特化型ゴルフシミュレーター「GOLFZON」の最高機種「VISION PLUS」を導入。国内外約180コースのラウンドを楽しむことができます。

また、当社が提供する次世代 会員管理・予約・決済システム「hacomono」とスマートロック「Akerun」を活用した入退室管理システムを採用*)。これにより、予約した会員のみに店舗の鍵を付与する仕組みを構築し、無人での店舗運営を実現しました。

*)2020年8月から、hacomonoとAkerun入退室管理システムはAPI連携を開始しました。

今回は、同店舗の運営責任者である今野雅子さんに、Flawless Golf Clubを立ち上げるまでの背景やhacomono導入のメリット、今後のリアル店舗の在り方などをお伺いしました。


自分のやりたいタイミングで手軽にというニーズに応える場を


「服装や機材の準備が大変だし、車の運転も面倒。朝の通勤前や買い物にいくついでに、ゴルフを楽しめるようになってほしい。そんな方々に向けて、自分がやりたいタイミングで手軽にゴルフを楽しんでもらう機会を作れないか――。自分自身がゴルフ好きなのに、家庭を持つ身でなかなか自由に楽しめなかったことから、そんな思いをずっと抱いていました」

今野さんは、Flawless Golf Clubを立ち上げた思いについてこう語ります。同店舗には、“手軽に楽しめること”を意識した、さまざまな工夫がおこなわれているのが特徴です。

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無人店舗で1フロア完全個室の形で運営されているため、まず会員は事前にスマホアプリから予約をします(1回につき90分)。予約した時間になると、Akerunの権限が付与され、店舗への入退室が可能になります。これにより、他の会員や通りすがりの人が勝手に入ることができないため、誰にも邪魔されず、ゆったりとゴルフを楽しむことができます。

また、レンタルクラブが用意されており、手ぶらで行けるだけでなく、店舗内のインターネットテレビで好きな音楽を聞いたり、プロのフォームを動画で見たりしながら練習することも可能。ゲストも呼ぶことができ、家族や友人と一緒に楽しめるようになっています。

インドアゴルフの場合、専用のネットに打つ形をイメージする方もいるかもしれません。今野さんは、同店舗でゴルフシミュレーターを活用した意義について次のように話します。

「20年ほど前からあるシミュレーションゴルフですが、多くの方は弾道測定を画面に映すもののイメージで、臨場感のあるラウンドができることをご存知ない方がほとんどです。でも私たちは、ゴルフを本当に楽しみたい人にこそオススメしたいんです。プロの選手も『練習の参考になる』と言うほど、今ではデータを正確に計測にしてくれるようになっているので、本当のラウンドを想定して練習ができます」

Flawless Golf Clubが導入したVISION PLUSは、カメラセンサーでクラブの軌跡やインパクト、ボールの動きを測定して球質を再現する他、風などの環境要因も反映されます。上下左右に傾くスイングプレートも採用し、より本番に近いプレーを体感できるのが特徴です。

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▲スイングプレートによる傾き、かつ「フェアウェイ」「ラフ」「バンカー」の3種類のマットを用意し、より忠実にフィールドを再現しています

年配の方でも、「予約の仕方が分かりやすい」と好評

今回、無人店舗としたのは、新型コロナ感染拡大による影響ではなく、「ゴルフを手軽にゆっくり楽しめる場」にするための施策として、最初から検討されていたものでした。

一般的なインドアゴルフ場は、店舗スタッフが受付をしてから各ブースに入ります。そこまでにも、予約するための電話が必要だったり、店頭での待ち時間があったりする場合もありました。また、個室の店舗は少なく、「扉のないカラオケボックス」のような形が多いこともあり、誰にも邪魔されず、家族や友人と楽しめる場の必要性を感じていたといいます。

「Flawless Golf Clubを作るとき、カーシェアのような形をゴルフでも実現できないか、と考えました。用意した場や設備を、会員同士で共有する。これにより、誰にも邪魔されず楽しめるようになっただけでなく、結果的に新型コロナ対策にもつながったんです。もちろん、空気清浄機やアルコール消毒を設置し、会員の皆さまにも協力をお願いしています」

今野さんは無人店舗を実現可能にするため、運用のシミュレーションをしたうえで、さまざまなサービスを検討。そこで、たどり着いたのがhacomonoでした。業態が近いスポーツクラブでの導入実績が多く、Akerunとの連携も可能なことから導入に至っています。

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▲会員情報の一元管理に関するイメージ画像

会員情報とAkerunの入退出情報がhacomonoによって一元管理ができ、利用者の動向を把握したり、今後の販促計画にも活用したりすることが可能に。細かいカスタマイズがしやすいことや、高齢者でも利用しやすいUI/UXも、今野さんはメリットとして挙げました。

「高齢者の利用も多いため、初回の設定やアプリでの予約につまずく方がいないか、最初は不安でした。しかし、予約であれば数回タップするだけで完了できるので、むしろ『分かりやすい』と言っていただけることが多いです。hacomonoの担当者と密にやりとりをしながら、表示するテキストや細かな仕様の変更がおこなえるのも魅力に感じていますね」

コロナ禍において、「リアル店舗」事業が持つ可能性

新型コロナの影響で、リアル店舗のあり方が見直されつつある昨今。2021年1月から3月までは2回目の緊急事態宣言が出され、厳しい状況に直面している事業者の方々も多いと思います。今後どのような視点を持つべきか、今野さんの考えを聞いてみました。

「Flawless Golf Clubで挑戦したことは、規模や業種に限らず、横展開できると考えています。カーシェアをイメージしたと話しましたが、レンタルスペースやコワーキングスペースなども同様で、その市場は拡大していますよね。つまり、“空間の提供”を通してニーズに応えること、予想を超えるような体験を提供できたら、たとえ人がほとんど介在しなかったとしても、ビジネスとして成り立つモデルが生まれるのではないでしょうか。hacomonoやAkerunなどのサービスを活用することで、可能性はどんどん広がっていきます」

同店舗は今後、規模拡大ではなく、創意工夫をしながら、自分たちが納得できる場であり続けることを目指すといいます。その背景には、「ゴルフに熱量を持つ人が、とにかく手軽でゆっくり楽しめる場所でありたい」という今野さんの思いが一貫して込められています。

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1月25日のオープン後、会員の年齢層は幅広く、経験者の方はもちろん、初心者の方も気兼ねなく練習できる場として活用されているようです。今野さんによると、お一人でのご利用だと18ホール60分弱、1回の利用でラウンドと練習も可能となっています。

コロナ禍における運動不足の解消も含めて、買い物に行くついで、朝の通勤時間前、お昼休みなどに、ゴルフを楽しんでみるのも良いかもしれません。

■hacomonoについて

hacomonoはリアル店舗における予約・決済や入会手続きがお客様自身のPCやスマホ端末からオンラインで完結し、店頭での事務手続きや支払手続きが簡潔になるクラウドサービスです。店舗側では月謝引き落としや未払徴収に関するオペレーションも自動化され、スタッフ業務の大幅省力化を図ることができます。オンライン、サブスクリプションビジネスの社会的ニーズが高まる中、新時代のリアル店舗におけるデジタル化をリードしていきます。

株式会社hacomono
お問い合わせ:info@hacomono.co.jp

執筆:庄司智昭
写真:加藤甫