子どもがいないということ

7歳の甥っ子と一緒に野球盤で遊んだときのこと。
甥っ子はこのゲームが得意で、母親にもいつも圧勝なのだという。
5回裏、12対6になったときに、
甥っ子は
「もうやだ!負ける。終わりにする」と言い出した。
甥っ子の方が12点を取っていて、まだまだ圧勝なのに、私が連続で2点取って6点になったことで気持ちが折れたようだった。

「なんで? まだまだ勝ってるじゃん!」と言っても、涙目で、「もうやめる!」と言う。

母親から、
「思い通りにならないからって、怒らないの」と言われていた。

やりたくないと言うのに、無理やり続けても仕方がないので、結局野球盤は途中でやめにして別の遊びに切り替えた。


野球の試合運びが自分の理想と違うから、「もうヤダ!」と涙目になる甥っ子を見ながら、私も同じかもしれない、と思った。

人生の運びが自分の理想と違うことに、泣きそうになる。

欲しいと思ったものが手に入らないことに、落ち込んで、悲しんで、何度も泣いた。



子どもが欲しいと思っていたのに、結局縁がないまま閉経した。

もっと若いうちから、子どもを産みたい!と思って行動していたら、産めたのかな?

私の周りでは、38、9歳でも自然妊娠をしていたり、できにくくても不妊治療をしたら授かったりしていた。

「欲しい」と思って、手に入れている友人たちばかりで、羨ましく思う。

子どもがいるとか、いないとか、結婚しているとか、していないとか。
幸せかどうか、とは別だって言うけれど。

それは、そうだと思うけれど。

私は、幸せかどうか、じゃなくて、思い通りかどうか、で、羨ましく思っているのだ。

幸せそうだから、羨ましいんじゃなくて、
欲しいと思った結果を手にしていることが羨ましい。

欲しいと思ったものを手に出来なかった気持ちと、どう折り合いをつけたらいいのかわからない。

まだ、わからないままだけれど、少し、わかりかけたかもしれない。

欲しい結果が手に入らなくて泣くのは、子どもと同じだと思ったから。

「まあまあ、そういうこともあるよ」って、自分をなだめてあげられるかもしれない。

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