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イノベーションを歓迎する開かれた組織で確かな存在感。若手リーダーに見る誠実なプロ意識

「すでに古株です(笑)」。にこやかに話す川辺 勉は、ハコベルの事業に従事して4年目。ラクスルの1事業部から誕生したサービスが「ハコベル株式会社」となり、現在に至る過程を “体験” してきました。事業も会社も、目に見えるスピードで拡大していく状況に「楽しくてワクワクしている」と目を輝かせる、軽貨物オペレーショングループのマネージャーに、ハコベルのサービス品質を支えるその視点や想いについて、そして原点となった経験について語ってもらいました。

軽貨物オペレーショングループ マネージャー
川辺 勉 Tsutomu Kawabe
物流業界大手の日本通運株式会社にて、主にオフィス移転業務を担当。10年ほどの勤務期間のなかで大手企業や有名商業施設の立ち上げも経験した。築地市場移転や駅のホームドア設置など多数の大規模プロジェクトに関わったのち、2019年にラクスル株式会社に入社し、ハコベル事業部を経て現職。

会社と事業の成長に、自分の貢献が感じられるダイナミズムが楽しい

 オフィスのドアを開けると勢いよく活気ある声が飛び込んでくるハコベルは、毎月たくさんの入社者数が示すように、今、とても勢いのある環境。ひとつの事業部だったころからジョイントベンチャーとして独立し、現在に至るまでに川辺さんを取り巻く仕事環境は組織も業務も大きく変容中。
 
—— 改めてそうした渦中にいることをどう受け止めていますか。
 
 事業も目に見えて大きくなっていき、人がどんどん増えていくことが僕は楽しい。売上も従業員数も、数字が積みあがっていき4年前と今の数字では比べ物になりません。目の前でそれが日常的に起こり続けていること、小さかった事業部が会社になって、そこに自分も起因して成長を感じられるのは素直にハッピーです。
 
 現在は軽貨物の事業部に所属し、メインでやっているのが運送手配マッチング事業です。すべての案件をマッチングさせていくことが前提であり、基本的には自動マッチングであるものの、わずかながらドライバーさんに電話をかけたり、需要と供給のバランスを見てマッチングを行う必要があります。そのなかで「どのドライバーが最適か?」など、そういった部分を調整しながら業務を行っていく、というのがまずひとつです。
 
 いわば人力で行うマッチング、これはどういうときに起こりえるか?と言いますと、ハコベルは最短集荷、つまり「当日の当日の発注」も受付けているんです。たとえば2時間前に発注していただいた案件については自動マッチングする可能性が低くなる。そこは価格や対象ドライバーを抽出し、連絡をして決めていくことが必要になるのですね。その業務には人的リソースが必要となります。お客様のなかには「ハコベルであれば急ぎ案件でもなんとかなる」という感覚は持っていただけているようです。特にヘビーユーザーのお客様こそ、そのように感じてくださっていることが伝わってきます。
 
 もう一方で、お客様へのご提案がひとつ。ハコベルを利用していてメリットを感じていただいているお客様に対して、たとえば「今月とてもたくさんご利用いただいていますが、コストカットのご提案がハコベルとしてできます」、とか。
 
—— たくさんご利用いただいているのに、あえてコストカットのご提案をするのですか?
 
 はい、そうです。「これだけ時間を短縮するとその分コストカットが図れますよ」と、最適なルートのご提案をハコベルとして行います。逆の言い方をすると、一瞬ハコベルの売上を減らすことになっても顧客満足度を高めることで次の発注につなげるような業務、というものです。
 こうしたご提案を経て、あるお客様の例ではハコベルの売上ベース5~7倍で伸びていたりします。コストカットなどの提案をし続けることで、お客様に満足していただくことが利用回数を増やしていくことにつながっています。
 
 売上はもちろん重要。でも、お客様のメリットがないと継続利用にはつながらないので、提案も含めた総合力で満足していただくことが、結果として長いおつきあいにつながっていく。僕らが行う提案というのは、お客様の利益率やPL(損益計算書)の部分に貢献できることも考えたもの。そうすることで、お客様のご利用が増えていくからです。
 
—— PL、お客様の財務状況など全体的な経営状況を推察しながら提案を行うというのは、川辺さんの部署では皆さんできることですか?
 
 全員ができるわけではないかもしれません。ですが、やっぱり提案力がある方は活躍ができる。「改善、改善」という意識を持っていたり、全体感を把握できる能力が顕著な方は数字を出している感覚があります。先ほどの「今の売上最優先」ではなく、次につながる提案というのは全体感、少なくとも中期程度のお客様の状況や動向を知っていないとできないものだと考えています。

 業務において僕がものすごく意識していることが、「当たりまえのことをちゃんとやる」ということ。
 「当日のご依頼かつ当日のマッチング必須」という急ぎの業務が頻繁にあるなかで、同時並行で多数のお客様の多様な対応が動いてる毎日です。自分だけの業務を当たりまえにちゃんとやる、というのはきっと社会人経験を何年か積めば誰でもできることですが、お客様の業務上の当たりまえを滞らせないことが重要。同時並行でそれぞれに起こっているお客様それぞれの当たり前を滞らせない、という意味で「当たりまえのことをちゃんとやる」、というのを僕はとても大切にし、意識しています。
 
 たとえトラブル対応など裏側で何が起こっていようと、お客様にとってはレスポンスがくることが当たりまえ。そこで抜け・漏れが発生してしまうと信用や損失を生んでしまいます。これらに加えて先ほどのお客様のPLを鑑みて…というようなことは、それらができた上でのお話ですよね。「当たりまえのことをちゃんとやる」という難しさに僕自身、向き合う毎日です。

常に顧客満足度を求める姿勢の原体験。「当たりまえのことをちゃんとやる」意識へ


—— 川辺さんのそういったホスピタリティともいうべき視点や事業感覚は、どのタイミングで身に着けたのでしょうか。
 
 大学生のときビジネスホテルでアルバイトをしていました。「ホスピタリティとは何か」という研修を受け、 “ホスピタリティ” という言葉、概念を教えていただいて、当時は漠然とした理解でしたが、社会人経験が増えていくに従い実感へ変わってきたように思います。
 前職でも事務所の移転業務など、同時並行で10社ほどプロジェクトを担当する職だったので、滞りや進捗確認などへの対応を身に着けていきながら、「当たりまえのことをちゃんとやる」という意識につながっているのだと思います。
 
 事務所移転はブレークダウンすると非常に細かい作業があり、かついろんな部署の方が関わります。フローの中で抜け漏れがあったら大変なことになる、という仕事であり、そうした経験も生きているのでしょうね。そこでビジネス感覚を養えたからこその今、という感じはあるのかもしれません。
 
—— いまの川辺さんに至る過程が見えてきました。これまでで特に印象に残っている出来事は?
 
 直近の例では、あるサービスの売り上げが大台を突破したことです。
 現在僕は担当していないのですが、自分がある程度設計したサービスの売上が「他のチームへ手放し、今は他のチームが回している、という段階で大きく成長したことはものすごいうれしい。
 
 立ち上げてからしばらくはなかなか売れず担当もつかないし、うまく回らなくて結構苦労しました。次第に担当営業がついて、エンジニアチームも改善を図っていった結果の大台到達というのは、「ああ、ホント設計して良かった!」と思いました。
 その業務から今は離れていますが、情熱や能力を込めてみんなでつくった、これが絶対にうまく機能するだろうし、役立つものだとそのサービスを信じた。そうした先に売り上げがついてきたことが成功だなぁとしみじみ思うんです。

担当者としてメディアの取材に応える川辺さん

—— 自分が携わっている、いまいまの成功の果実ではなく、育ててきた一連の実りが喜びなのですね。
 
 サービスをローンチするとすぐ売上を期待されるものですが、売上って積み上げなのでそうはいかない。「新しいもの」としてお客様が認知し、そこから使っていただいて…、というサイクルが何回か回らないと、また同時多発的に進まないと売り上げはつくれません。だからこそ喜びもひとしおなんでしょうね。
 

事業の進む軸に自己を照らし合わせ、日々チューニングする。イノベーションを歓迎する風土でチャンスをつかむ
 


—— ハコベルのサービスの品質と想いが、どのように築かれてきたのかが想像できました。軽貨物オペレーショングループでは、どんなスキルが必要ですか。
 
 先ほどの「当たり前のことをちゃんとやる」。これに尽きるのですが、これは最初から完璧にやってほしい、ということではありません。失敗してもいいからトライする、失敗して再びみたびと挑戦すること。この繰り返しの果てにしか達成できないのが「当たりまえのことをちゃんとやる」ということ。だから、慎重すぎて手が出ない人よりは失敗をおそれつつ勇気を持って挑戦できることが大事です。
 
 そういう意味でアウトプットを「とりあえず出す」ことが大事。「いやいやこれはまだ途中なんで…」、と抱えこむのではなく遠慮せずアウトプットしてもらって、そこからみんなの意見を取り入れていき、柔軟に良いものにしていく。会社って人の集まりですから、「どうやったら実現できるかな?」という可能性をしっかり考えたうえで、臆せずに声をあげることでブレークスルーが生まれると思っているんですよ。
 
 また、ハコベルは物流業界初心者の方を歓迎していて、入社後約1ヶ月間ほどオペレーション業務をひととおり全部やってもらいます。受電対応する、マッチング業務を行う、人的手配によるマッチング対応を行ったりお客様のクレーム対応をする、などです。それにより、「なんでもできるようにする」体制を採っており、かなりしっかりサポートするので安心していただけると思います。
 
 その期間に知識だけでなく、業務の全体像、サービスはこう動いているんだな、というのをつかんでいただけるよう、意識してメンバーに教えてもらうようにしています。それによってメンバーとも馴染めるし、2週間から1ヶ月、部署を回って最終的に配属される役割に就きますので、基礎的なことは概ねできるようになります。
 
—— それは心強いですね。この成長著しいハコベルという環境を活かしてできることは?
 
 やりたいことがあれば、アウトプットすることによってチャンスに恵まれる環境です。オープンでイノベーションを歓迎する風土だと思っています。
 
 事業の目標という軸があって、それに対して今自分がやってることが乖離していっているのか、それともうまくアプローチできているのか、しっかり軸を理解したうえで日々の業務を遂行できているか?という振り返りが日々できている人は圧倒的に強いです。そういう毎日であればおのずと「こういうことをやってみたい」という考えが出てくるはず。
 
 これらの考えに至るまでには、僕もハコベル入社最初の年でもっとも深く沈んだことがありまして。当初、別の部署でまったく成果が出せない日々が続き、その後、いまの部署に配属され本当にちょっとずつ、評価が上がっていった経験が。その苦しい日々にあって、事業方針とか、今、事業が何を進めているのか?という軸を理解し、そこに自分を合わせていく意識を持つだけで成長のスピードがこんなに違うのか、とわかったのです。
 
 自ら気づいて解決策を見出していける、そうした文化風土がハコベルにはあるのです。
 

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