見出し画像

刺しゅう糸、1本の違いで作品の雰囲気が変わるお話

刺しゅうで一番よく使われている25番刺しゅう糸は、6本の細い糸がゆるくより合わされて1本の糸になっています。
使う長さにカットし、1本ずつ引き抜いて、それを指でまっすぐに伸ばして、必要な本数を合わせて、合わせた糸をさらに指でやさしくまっすぐに伸ばしてから針に通して刺しゅうを始めます。

画像1

(DMCの25番刺しゅう糸です)


画像2

(糸の端をさがして、6本の束を引っ張り、50㎝くらいのところでカットします。引っ張る方の端は、色番が書かれた紙帯からすこし長めに出ています。反対の端を引っ張るとからまってしまうので注意します)


画像3

(カットした糸の端から2㎝くらいのところを親指と人差し指で押さえて、1本ずつスーッと糸を引き抜きます)


糸を1本ずつ引き抜いてまっすぐに伸ばすという作業…これがとっても大切で、これをするとしないとでは作品の仕上がりが大きく変わってきます。

やさしくやさしく伸ばしてあげてくださいね。気持ちも落ち着き、刺しゅうの線がキレイになります。


さて、わたしの刺しゅう教室では、ほとんどの作品を2本どりで作ります。
2本どりで見本を作りますので、わたしの最近の作品も2本どりが多いのですが、以前は1本どりの作品を多く作っていました。

この細~い刺しゅう糸…たった1本の違いで作品の雰囲気が変わってくるので不思議です。

こちらは2本どりのポストカードサイズの作品です。線がくっきり、しっかりとした刺しゅうになります。

画像4


こちらは1本どりのポストカードサイズの作品です。とっても繊細な線の刺しゅうになります。

画像5


女の子とお猿さんは同じバックステッチですが、1本どりの繊細な線は2本どりでは表現できません。


わたしは2本どりの作品も、1本どりのチェーンステッチやランニングステッチで面を埋めることがあります。


こちらの作品は、頭巾と髪の毛を1本どりのチェーンステッチで刺しゅうしています。

画像6



こちらの作品は、髪の毛を2本どりのチェーンステッチで刺しゅうしています。

画像7


髪の毛だけでも、比べてみると違いますね。
チェーンステッチ1本どりは、大変な労力ですが、作品が仕上がったときのやさしい雰囲気や柔らかさが、もう病みつきになります(笑)

1本どりと2本どり…たった1本の違いで、こんなに雰囲気が変わってくるなんて、刺しゅうって繊細でおもしろいですね♪

これから刺しゅうの作品を見るときは、これは何本どりで作っているのかな…と想像をしながら見てみるのも楽しいですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?