秋の野の花ー「セイタカアワダチソウ」と植物の見えない力
こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。
今日は、少し早い時間から息子のお迎えの時間までお散歩を楽しみました。この散歩コースは、小さな川を挟んで両端に田んぼが広がり、また、川沿いに歩道があります。
水辺の植物や、田んぼの畦道に咲く野の花を眺めながら歩いていたのですが、秋の日差しに照らされて、ようやく穂が開き始めたススキがキラキラと輝いています。
ススキの手前の黄色い穂はセイタカアワダチソウです。
今日は、セイタカアワダチソウのお話を少し。
セイタカアワダチソウとは
明治時代末期に日本へ切花や園芸で楽しむことを目的に伝わりましたが、そこから種子の流入も加勢して、野生化した帰化植物として知られています、日本では北海道から沖縄まで広く分布しています。
私の住んでいる町では、休耕田にはセイタカアワダチソウが繁殖し、幼い頃に見た田園風景がセイタカアワダチソウの姿が目立つ荒れた土地に姿を変えてしまった場所が何箇所もあります。
セイタカアワダチソウの変遷
しかし、実はその景色を今見ていて思うのです。
あれ?昔はもっとセイタカアワダチソウは元気でそこら中に咲き誇って黄色一面だったような気がするんだけれど。と。
実際に、私が幼かった頃(今から30数年前頃)はセイタカアワダチソウの黄色い花の景色が、秋の景色だと強く印象に残っています。
あの時のセイタカアワダチソウの美しさは、どこへ行ったのだろう。と気になって調べてみました。
元々、ススキが多く生えていた土地に入り込んだセイタカアワダチソウは、一気に勢力を拡大し、すっかりその景色を変えてしまいました。
セイタカアワダチソウの爆発的な繁殖は昭和40年頃。
そこから、現在はその勢力は衰え、ススキがまた勢力を取り戻そうとしているそうです。
見えない力、植物のアレロパシー
植物の「アレロパシー」について知ったのは、庭の仕事をしていた時に出会った、農業系のお仕事から私と同じようにガーデンプランナーを志した方からでした。
植物の持つ特徴の中でも、とても不思議で興味深い力の一つが「アレロパシー」です。目に見えない化学物質を植物が排出することで、他の植物の成長を妨げるというもの。
セイタカアワダチソウは化学物質によってススキの成長を阻害することで、自らが繁殖を続けてきたのです。
しかし、最大限に繁殖したのちに、自らのその「アレロパシー」によって今度は自らの繁殖を阻害してしまっているというのです。
そう、ススキが勢力をまた取り戻そうとしてきているのは、それが理由なのです。
セイタカアワダチソウに比べ、ススキの方が痩せた土地での繁殖は得意です。セイタカアワダチソウは自らの「アレロパシー」とともに、その土地の肥料分も随分と吸収し尽くしてしまったのです。
田舎の景色が変わる理由
田舎に住んでいると、都会のように風景が大きく変わる理由の中に大きな建物が建つようなそんなことはあまりありません。景色が大きく変わるとすると、山が急に伐採が始まったり、崖崩れが起きたり、護岸工事があって海辺の様子が変わったり。
それも、頻繁に起こることではないのですが、長い目で見ているとこうやって、セイタカアワダチソウとススキのように、ちょっとした勢力争いで少しずつ景色が変わっていくようなことが起こっています。
以前、植生遷移について書いたことがありますが、私は、そうやって植物が、森や林や野の植物の様子が変わっていくことにとても興味があります。
それぞれの植物が、種を残すためにさまざまな知恵を働かせています。
それは、まるで動物や人と同じように頭で考えどうにか生き延びようとする姿と同じだと思い愛おしいのです。
まとめーアレロパシーが書き足りない(笑)
久しぶりに「アレロパシー」という言葉を思い出して、あ、あんなこともあった、こんなことも書きたい!と、なんだか長くなる予感しかなくて、今日はぎりぎりこの辺りで留めておくことにしました。
実は今日は最初はショートバージョン(1000文字程度)でお送りしようと思ったわけです。
通常バージョンは1500文字〜2000文字で、気づいたら通常バージョンの文字数になっているではありませんか(笑)そして、まだ足りないとな。
とはいえ、今日は文字数が限界。ここまでとします。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
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