学生との共創イベントを新人研修亜種にしたらやである。

企業×学生の共創イベントで逆効果になっちゃっているインシデントの話

社会人になると色んなバイアスがかかるようになりますね。終身雇用を前提としたトラディショナルな会社だと、その傾向はかなり強いと思います。

バイアスがかかっていない柔軟な発想を持った学生達と「仮の」事業開発を行って、イノベーティブなサービスや製品を考えよう、というのが「共創イベント」開催の主流なコンテキストです。
そしてもちろんその目的には優秀な学生とのマッチングという要素も内包していたりします。

我々 HackCamp は、これまでそのような形式のプロジェクトを、これまで沢山お請けしたことがありまして、1日とか2日の期間の中で、色んなフレームワークを使って、アイデア出しからプロトタイプまで幅広く実施したりしてます。

そうした運営の経験を通してですね、「イノベーティブなサービス・製品を考えよう」が、新人研修亜種 に変換されちゃう要因を発見したので、記事を書こうと思ったわけです。

審査員が役員

この記事で書きたいのはこれがメインです。
学生が2日間という短い時間を濃密に過ごし、運営サイドの社員さん達と切磋琢磨し、お互いのアイデアや技術をぶつけ合い、最高に高まった尊い感じの雰囲気が出来上がって、さあ発表だ、となった時に、「呼ばれて参加しました感でいっぱいな役員さんが来られて、学生は緊張の中、バイアスしかない発言をされる」という事故が多発しております。

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ガン冷めです。

これまでの熱、すべて吸収します。バイアスの無いアイデアは逆に「説明がつかないもの」として消え去ります。

では、役員さんに事前にとても丁寧に、このイベントの目的や、学生への配慮について説明したら大丈夫なのか?

それはただの優しい世界です。

開発の伴うハッカソンとかだと、この時間は、「ただただ早く終われ」と思います。私も参加者の時に、ひたすらそう思ってハッカソンを過ごした経験があります。

とは言え、呼ばれて飛び出た審査員の役員さんは至極真っ当なことをしていると思います。
偉い人に見てもらいたいということは、実際に社内の運用に耐えうるかどうか、扱うべき価値があるのか、そういう厳しい目線でジャッジを期待されていると感じるでしょうし、実際それを期待しているでしょう(期待しているのであれば、それは学生に責任を押し付けている感がすごい)。

ただ、そんなことは自社社員に対してやればいいことです。
ぴかぴかの新卒の研修でやれば、偉い人の考え方が分かるわけですから、価値高いことだと思います。
ただ、外部の人にやるのは、悪い作用しか無さそうです。
これは学生に限らず、スタートアップとの共創のプロジェクトでもそうですよね。あ

じゃあ、どうすればいいのか、を考えていたところ、1つプロセスが足りて無いことに気づきました。

社員さんフィルター

通常のワークショップでは、以下のようなプロセスを踏むことが多いです。

①インプット(テーマ)
②フレームワーク(アイデア出し・設計等)
③プロジェクト化(タスク化したり)
④実装(いろいろ)
⑤プレゼン・ピッチ
⑥審査

上記の⑤と⑥の間に、会社のバイアスがかかっている社員さんが、「⑤´」として、「社内プレゼン資料作成タイム」を入れて、必死こくというプロセスを入れるわけです。

つまり役員の方への説明責任や政治は、社内の人の受け持ちとなるので、社員さんは自分の命運託せる社外のアイデアを必死で見つける感じになります。

無題 81

期待される効果

・学生さんテンション下がらない。(「なんだい、こんな会社!」ってならない)
・社員さんの「社内突破力」が試される。
・審査員として呼ばれた役員さんがスベらない。
・外部の良いアイデアを社員が社内でボトムアップするスキルを身に着ける

最後のやつがメインです。
改めてこの記事の冒頭に書いた、学生共創イベントの目的をおさらい▼

バイアスがかかっていない柔軟な発想を持った学生達と「仮の」事業開発を行って、イノベーティブなサービスや製品を考える

はい、ここで考えた後に必要なのは、どう社内でそれをプロジェクト化するか、実運用するかです。

我々もまだまだ未熟なので、気づけていないことが沢山あるわけですが、このような細かな要因の積み重ねが、イベント自体を目的化してしまうのだなと感じています。
そうにならないように、ワクワクしつつも真剣に事業開発につながるものを作っていきたいですね!

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ちゃんと事業開発に繋がっていくイベントにご興味ございましたら、HackCampの実績ページ、良ければご覧くださいー!

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