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道具箱:スクレーパー

キャンプに欠かせない道具といえば、テント、マット、寝袋、ストーブ、食器と言ったとこでしょうか?まぁ、何種類の神器があるのかはわかりませんが、私の中では、かなり上位に位置付けられている「スクレーパー」の話です。

話は少しそれますが、子供の頃、我が家の朝食の定番は「イカの塩辛」でした。まぁ、定番と言っても食べるのは父だけで、子供の私には、ただの近寄り難いグロテスクな瓶でした。ただ、イカの塩辛でよく覚えているのは、父の食べ方でした。まず、熱々のご飯にイカ数切れを埋め込んで、温めます。そして、ご飯と混ぜて食べる。ご飯を大方平らげたら、最後にもう一切れ投入。そして、そこにお湯を注いで、イカで茶碗を綺麗に洗います。で、最後にそのイカ湯をグイッといく。この一連の流れを見るのが、何故か楽しかったのを覚えています。

で、スクレーパーですが、その機能はまさに「イカの塩辛」のそれです。キャンプで食べるご飯もいいんですが、問題は食器の洗浄です。キャンプ場のように水場がある場合は何ら問題はないんですが、山中のように、水場が無く、使える水の量も限られているときには、このスクレーパーが大活躍します。ご馳走様の後に、少しお湯を沸かします。で、そのお湯を食器や鍋に注ぎ、このスクレーパーで食べ残しや汚れを剥ぎ落とします。要は、小さいスパチュラみたいなもんなんですが、小回りもよく効き、使い勝手は抜群です。で、ある程度綺麗になったら、お湯を捨てる。食べ残しが多く、ゴミにしたくなければ、そのお湯を食後のスープだと思ってグイッといくのもありです。私は、この最後のグイッのときに、今は亡き父のイカ湯が思い出されます。

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こんなに小さいので、鍋の底にいつも入れてあります。強引に使えば、スプーンとしての機能を果たさなくもないので、一人で、荷を減らしたいときは、鍋とスクレーパーだけを持っていくこともたまにあります。それほど頻繁にキャンプにいくわけでもないんですが、何だかんだでこのスクレーパー、もう10年近く使ってます。

というわけで、地味ですが、便利なスクレーパーでした。

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