よくあるうつヌケの話④~社会復帰するまで

病院へ行ったり、神社巡ったり、図書館へ行ったり。
そうこうしているうちに、年末。

年末は毎年KinKi Kidsのコンサート。
ずいぶん前から行くことにはしていたが、こんな状態で本当に楽しめるのか不安だった。
行って楽しくなかったらどうしよう…

当時、十数年も生活の中心が彼らだったので、「楽しくない=ファンでいられない」となってしまうかもしれないことが不安だった。

あと、コンサートに行くときは友達と会わなければいけない。いつもなら大阪から遠征してくる友達が泊まりにくる。
コンサート前後は、他の子とも合流してご飯を食べに行くのが年末年始の恒例行事だったけど、うまく会話ができる気がしない。

そこで、体調が悪いから今回はごめんとだけ伝え、友達にはホテルに泊まってもらい、食事会はパスして、本当にライブだけを観に行った。

KinKiのライブは黄色い声援を飛ばし、ペンライトガンガン振るという感じではなく、双眼鏡でステージをガン見して静かにペンライトを振り、拍手を送ってMCで笑うという感じ。結果ちゃんと楽しかった。

楽しかったことに安心した。

そして、年明け少ししてから、「そろそろ出てきませんか」と会社から連絡がきた。

まだ出社する気構えが全然できていなかったので、1月はまだちょっと無理ですと伝えつつも、そろそろどうにかしなければいけない。

戻ってもあの環境でまともに仕事ができると思えなかったので、思い切って転職計画を立てる。

あんまり長い期間休職していると、転職先でもそれがバレるんじゃないかと不安だったので、2月&3月で徐々に復帰⇒4月はフルで1か月勤務⇒転職という流れ。

うつ状態でエージェントや転職サイトを使っての転職は、絶対に成功しないのは分かっていたので、人の紹介で行った方がいいんじゃないかと思い立ち、前の職場の上司だった人に相談。もちろんうつは隠して。

この人、今だったら絶対に面倒くさがって、人つないだりしないと思うのだが、この時はタイミングが良かったのかなんなのか、〇〇さん(さらに上の上司)に連絡取ってみなよと言ってくれた。

そしたら、ちょうどある会社で新規事業立ち上げがあって、メンバー探してるからどうかと言われ、とりあえずこの状態から脱却するには扱っている案件にこだわっている場合でないと思い、二つ返事で面接を設定してもらった。

面接はとにかく笑顔で乗り切ることだけを心掛け、あっさり内定。

5月から新しい会社で働くことになった。

ちなみに、この数か月後に前の会社は、事業売却され消滅する…。
思い返してみると夏ぐらいから上層部の人の動きもおかしかったし、そこで働く人も無気力なわけで、もう色々と納得したというか、やはりそんな会社だったのだ。

新しい会社で働き始めてからも、もちろん大変。
自分の仕事に関して、自信というものがゼロになってしまった状態だったので、今まで普通にできていたことに対してかなりの労力を要することになる。
たとえば、人に分からないことを聞くときに話しかけるとか、メールを送るとか…。
こんな簡単なことが、なぜかとてつもないエネルギーが必要になってしまったのだ。

おかげで疲れ切ってしまい、土日は何もできずに、ひたすら家でぐったりする。
初めましてさんに対するコミュニケーションでよくある会話、「休みの日は何しているの?」の回答が「何も…」という、コミュニケーション取る気ないのかなと受け取られそうな感じになってしまっていた。

それでも踏ん張って2年くらい経ったころから、ほぼうつ状態を抜けることができた。

本当は、うつなのに転職するのは良くないらしい。でも、私は結果良い方に傾いた。
この辺はその人の性格やうつの状態・程度にもよると思う。
とにかくうつから抜けるために、当時の自分を自画自賛できるほど頑張った。

うつになる前の状態に戻ったのではなく、生まれ変わったような感じ。
以前の良くない思考のクセに気づいたので、別の方向へ持っていくよう心掛けたのが良かった。
それも、誰かに言われたとか本を読んだとかではなく、自力で気づけたのが大きかったように思う。

・「〇〇しなければいけない思考」⇒「〇〇しよう思考」にする
・人と比べない。どうしてもそんな思考になりそうになった時は「あの人とは目指すところが違う」と考える
・ムカつく、嫌い、不安…マイナス感情を抱いたときは、どうしてそう思ったのか分析する。
 (原因を認識して納得するだけでマイナス感情が薄れるし、解決or回避策が出てくるときもある)
・身体的には健康でも、心が「今、ムリ」と思ったら迷惑かけない程度に休む

正直、今でも気分が落ち込むことがあるが、自分でそれを自覚することと、その原因を分析することでうまくかわせている。
30代も後半になってきて、生理周期などでホルモンバランスに振り回されることが多くなった。これも落ち込む原因のひとつ。こんなの、いくら気を付けてても風邪みたいに容易に予防できることではないので、受け入れる。他人(とくに男性)に分かってもらえなくても気にしない。

うつの休職を何度も繰り返す人がいるけど、自分の思考を変えないと多分ずっと治らない。
(そもそも治す気がなさそうな人もいるけど…)

もう少しつづく

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