よくあるうつヌケの話③~うつの一人暮らし
実家で癒されずに帰ってきた、うつの一人暮らし。
まずはお金の問題。
休職中の収入は傷病手当金。
とてもありがたい制度で、月収の3分の2が支給されるのだが、この3分の2というのが絶妙で、
その人の生活水準で、余暇をせず、それなりに節約して普通の生活ができるギリギリの金額
だった。
いい大人なのに貯金ができない浪費家の私は、これだけでやりくりしなければいけない。
休職中とはいえ、社会保険料とかはかかるし奨学金の返済もある。
あと病院と薬代。
なけなしの貯金があっという間になくなる。
私の場合、年俸制で月収がそこそこ高めだったのでまだマシだったのかもしれない。これが月給制だったら完全に詰んでいた。
お金がないと病気でなくとも落ち着かないし、心が疲弊するのに、うつ状態にさらに余計なストレスに。
取り敢えず、少ないエネルギーで自炊を頑張るのだが、起きてからすぐ「夜ごはんどうしよう」とか食べ物のことばっかり考えてしまい、結果過去最大に太ってしまった。
そして、日中していたこと。
「朝はちゃんと起きる」「できるだけ外に出る」
この2点だけは気を付けなければ、もっとひどいことになるのは分かっていたので、とにかく守ることにした。
2週間ごとの通院はわざと朝一の時間に予約して、電車で行って歩いて帰ってくる。1時間半かけて歩いていたのは節約のためでもある。
2時間くらいの徒歩で行ける範囲の神社仏閣をめぐる。
弱ってるときって神頼みしたくなるよね…。
そして図書館に行く。公共の図書館を始めて利用した。
本好きは少数派なイメージがあったので、人が少ないだろうと思って一番近い図書館へ行ってみたら驚き!
どうしようもない感じのおっさんたちでいっぱいだった。
本じゃなくて、新聞読んでるか寝てる人の多いこと…。
居心地悪くてがっかりしたので、同じ区内の別の図書館まで歩いて行ってみたりした。
子供のころから本が好きだった。誕生日のプレゼントはいつも本にしていたくらい。
図書館に行って久々に小説とかを読んで、こんな状態になっても「一番好きなものは変わらなかったなー」と自分に感心した。
というのも、この状態になって今まで普通にしていたけど、できなくなったことがいくつかあったからだ。
・音楽を聴きながら歩く
全国ツアー追いかけるくらいのKinKi Kidsファンで、当然いつも電車で聞いている曲もKinKiだったのだが、彼らの曲は基本的に暗い。
哀愁が売りな彼らなので、未練たらたらの失恋ソングが多い。
もちろんそれが好きだったのだが、落ち込んでる時には暗い曲は聞けないんだなって分かった。
・民放のバラエティー番組を見る
なぜか見れない。ほとんどNHKを見ていた。
あとは、何かを作る番組だけは面白いと感じることができた。ビフォーアフターとか。
・携帯のメールを見る。
友人にも隠していたこともあって、平常を装うのが苦痛だったり、
会社からのメールを見るのが嫌だったり、、
人とコミュニケーションを取ることに多大なストレスを感じていた時期だったので、極力見ないようにしていた。
ランプがチカチカしているのも嫌だったので、いつも携帯を裏返していた。
つづく
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