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パパは トイレトレーニング中②


ドリルです。

あれは、上の子が 2、3歳の頃 僕が33歳の時 正に忍耐力が試される試練が訪れました。



その日の 仕事も もう終わりかけで工事現場で働いてる僕は 道路を洗う作業をしていました。


「おぉ、ドリル!今日は 応援に来てくれてありがとう!そういや 息子?だいぶ大きなったんか?」


現場の作業長が 声を掛けてくれる。


「はい!もう3歳に なります。ちょうど今 オムツが取れるか取れへんかって感じです。」


そう言って 何気ない雑談をしながら道路に水を撒いて洗っていると そいつは 音もなく僕の中に現れた。


(マズイ………お腹で何かが暴れている!ギュルギュルと渦巻く何かが そう遠くない未来に 外の世界に飛び出そうとしている!このままでは、周りに迷惑をかけてしまう………そうだ…………………トイレに行こう!!


そう 決心した刹那、僕の予想を上回る速度で そいつは 暴れ回った!!


(まだだ!まだ!もう少し 我慢してくれ!!まだ お前は 出てくるべきではないんだ!!)


「どうしたんですか?ドリルさん?顔色悪いですよ?」


そう言って 僕より一回り以上 歳の離れた レンくんが声を掛けてくれる。


「いや、ちょ、ちょっとお腹の調子 悪いからコンビニ行ってくるわ!後 洗っといて!!」


確か ここに来る時 僕は コンビニを目視している!多分 ここから300mくらいの所にあったはずだ!300mなら5分もあれば余裕で着く。たった5分だ…たった5分耐える事が 出来れば この苦しみも あの時は 辛かったと笑い話にできるはずだ!


そう自分に言い聞かせ 出来るだけ身体に振動が いかないように最速で歩く。本当は 走りたいが そんな事をしたらどうなるか 自分が一番わかっている。



「ドリルさん!ドリルさ〜ん!!どこ行くんですか〜!」



レンくんが 必死に声を掛けてくれるが 必死度は 僕の方が上だ!しかも さっきコンビニに行くと言ったのに何を言ってるんだ?


何の用事かしらないが用など後にして欲しい 僕は 一刻も早く用を足したいのだ。今 絶対に負けられない戦いをしているのだから………



僕の中でそいつは 確実に暴れている!そして そいつは 時に優しく囁いてくる。その緩急が余計に辛い……変な汗が 出てきた……もう 限界だ………もう 十分がんばったよね?もう……もう…………

その時!!



見えた!コンビニだ!!黄色い看板のソフトクリームの美味しいコンビニだ!!でも、今は ソフトクリームじゃない!僕のソフトクリームが 爆発寸前なんだ!!


でも、これはもう勝ったも同然だ。


落ち着け………間に合うぞ。

とにかく一度 落ち着いてヘルメットをここに置こう。

そうして 落ち着いた時に 嫌な予感がよぎった……

(モシ、 ダレカ  サキニ  トイレニ  ハイッテ イタラ………………?)



ヤバイ!ヤバイ!落ち着いてる場合じゃない!

「すみませーん!トイレかりまーす!」




ベルトを ゆるめ フライング気味にズボンを下ろしながら 店員さんが 返事もしていないのに 僕はトイレに駆け込む!


トイレのドアに手をかける!








『ガチャッ!!』






良かった!空いた!!



勝った!!



僕は 勝った!!



そうして ドアを開け トイレを目にした瞬間 僕は 座るより先にズボンを下ろす!!



そして…………

『ぶりっ!ぶりぶりぶり!』








……………間に合わなかった……………

コンビニのトイレが悲惨な事になった………



あと数歩………あと数歩 歩けば そこに座れたはずだったのに………



しかし、トイレの中だったのでギリギリセーフ!



僕は、コンビニのトイレを掃除しながら自分自身を褒めた。







「あっ!やっと帰ってきた!!ドリルさーん!!大丈夫でした?遅かったですね?」



「う、うん、トイレ掃除してたからちょっと遅なってん………。」



「えっ?掃除?なんで掃除なんかしてるんですか?」



「ま、まぁ、ちょっと…ちょっとだけこぼれちゃったから そのままってわけにもいかんやん?」



「ハハハッ!!ドリル!お前!ウンコもらしたんか!」


作業長が大笑いする。


「いや、トイレの中やから ギリギリセーフですよ。」


「ドリルさん!完璧にアウトですよ!」


「いやいや、セーフやって!!」



「………って言うか、コンビニ すぐ そこにありますよ?」











「えっ?」



「いや、そこ、10mくらい行ったとこ。」




「えっ?…ちょっと待って……………ホンマやん!!7って書いてる看板見えてるやん!!」




「だから、僕 声かけてましたやん(笑)」




「クッソ!!」


パパは 只今41歳………まだまだ トイレトレーニング中。


この話の本当度 100%

『油断大敵』『勝って兜の緒を締めよ』『敵に勝ちて愈々戒む』昔の人は わかってたんです。安心した時、気の緩みが下の緩みにも直結しているということを…皆様も どうか気をつけて下さい。



余談ですが コンビニにヘルメットを忘れていたのを次の日の朝に気付き 取りに行くと店員さんが預かっていてくれたみたいで カウンターの奥からヘルメットを出してくれた時にポストイットにハゲの人って書いてるのが見えました。

せめて見えないようにしてほしかったです。


サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!