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AIニュースまとめ【6月後半】

Claude 3.5 Sonnetと新機能Artifactの発表

Claude 3.5 Sonnetの性能

6月21日、Anthropicは新しいAIモデル「Claude 3.5 Sonnet」を発表しました。このモデルは、性能面でGPT-4を上回るとされ、文章生成の精度と速度において顕著な向上が見られます。ベンチマークテストでは高いスコアを記録し、実際の使用においても正確な回答が得られると評判です。

新機能Artifact

同時に発表された新機能「Artifact」は、Claudeが生成したコードやテキスト、ウェブサイトのデザインなどをチャット画面とは別のインターフェースで表示することができる機能です。これにより、生成物の確認が容易になり、ユーザー体験が大幅に向上します。

使いやすさの向上

この新機能は無料で利用可能であり、個人ユーザーから企業ユーザーまで幅広く利用できる点が魅力です。Anthropicは、Claudeを単なる会話型AIから、共同作業が可能な環境へと進化させることを目指しており、今後もさらなる機能追加が期待されます。

OpenAIの最新動向

ChatGPTのMac版デスクトップアプリのリリース

6月26日、OpenAIはChatGPTのMacOS版デスクトップアプリをリリースしました。このアプリはGPT-4を搭載しており、テキストのみならず、画像や音声を使ったやり取りが可能です。ユーザーは、他のアプリケーションを使用しながらでも、オプション+スペースキーでChatGPTを呼び出せるため、非常に利便性が高まっています。

ChatGPTの高機能音声モードのリリース延期

一方、期待されていたChatGPTの高機能音声モードのリリースが1ヶ月延期されることが発表されました。この延期の理由は、コンテンツの適切性チェックやインフラの拡張など、機能の改善が必要とされたためです。秋までには全ユーザーが利用できるようになる予定です。

Runwayの動画生成AI「Gen-2」の発表

Gen-2の特徴

6月17日、Runwayは動画生成AI「Gen-2」を発表しました。このモデルは、動きや表情豊かなキャラクターの動画を生成する能力に優れており、滑らかで一貫性のある動きを持つ動画を作成できます。

生成動画の質と時間

Gen-2では、最大10秒の動画を約90秒で生成できるため、従来モデルと比較して大幅な改良が見られます。この改善により、ユーザーはより長く、高品質な動画を迅速に生成することが可能となりました。

リリース状況

正式なリリース日は未定ですが、近日中に公開される予定です。多くのユーザーがこの新しいAIモデルの登場を期待しています。

Stability AIの画像生成AI「Stable Diffusion XL」の公開

モデルの詳細とパラメーター数

6月12日、Stability AIは新しい画像生成AI「Stable Diffusion XL」を公開しました。このモデルは、従来の35億パラメーターを持つ「Stable Diffusion XL 1.0」よりも小規模な20億パラメーターのモデルです。サイズが小さいため、個人ユーザーや企業のGPUで動作させやすくなっています。

利用目的とオープンソースライセンス

Stable Diffusion XLは、長くて複雑なプロンプトから高品質な画像を生成する能力に優れており、ディフュージョントランスフォーマーアーキテクチャを採用しているため、スペルミスや文字組みのミスが少ないのが特徴です。このモデルは、研究や個人の趣味での利用を目的としたオープンソースライセンスで公開されており、商用利用でなければ無料で利用可能です。

Notionの新機能追加

読み上げ修正機能

Notionは、生成された解説動画の読み上げ方を修正できる新機能を追加しました。これにより、ユーザーは単語の発音を変更したり、文章の読み方をカスタマイズしたりすることが可能です。

スライドの追加削除機能

また、生成された動画のスライドを編集できる機能も追加されました。ユーザーは、スライドの追加や削除を簡単に行うことができ、より柔軟に動画をカスタマイズできるようになりました。

Microsoftのリコール機能の見送り

機能の詳細とセキュリティ問題

Microsoftは、6月13日に新機能「リコール」の発売時点での搭載を見送ると発表しました。リコール機能は、Windows PC上の全ての操作を数秒ごとにスクリーンショットとして記録し、追跡するものです。しかし、この機能はセキュリティの専門家から、安全性に問題があると指摘されました。

今後の対応

Microsoftは、リコールの仕様を見直し、セットアップ時に有効か無効かを選択できるようにする予定ですが、18日に発売される新モデルにはリコール機能は搭載されません。今後は、Windows Insider Programを通じてプレビュー版を提供し、フィードバックを求める予定です。

ソフトバンクとPerplexityの提携

提携の内容と背景

ソフトバンクは、AI検索エンジン「Perplexity」との提携を発表しました。この提携により、ソフトバンク、Y!mobile、LINEのユーザーは、パブリシティの有料プラン「Perplexityプロ」を1年間無料で利用できるようになります。パブリシティプロは、最新のAIモデルを利用できる月額2,950円のサービスです。

ユーザーの反響

この提携により、多くのユーザーが高性能なAI検索エンジンを無料で体験できるようになります。ソフトバンクは、AIに対する理解を深めてもらうことを目的としており、Perplexity側も日本市場での高い収益性を期待しています。

Elizaの日本語特化AIモデルの開発

モデルのパラメーター数と性能

Elizaは、GPT-4の性能を超える日本語特化AIモデルの開発を発表しました。このモデルは、パラメーター数が700億と20億の2種類があります。700億パラメーターのモデルは、メタのLLaMA 3の700パラメーターのモデルをベースにしており、日本語で追加学習を行うことで、日本語の性能を大幅に向上させました。

今後の展望

Elizaは、今後、特化型大規模言語モデルの開発を進め、法律や確定申告など日本独自のニーズに対応できるようにする予定です。また、大規模言語モデルを活用したアプリケーション開発に力を入れ、競争力を高めていく方針です。

FISH AIの急成長とユニコーン企業化

FISH AIの技術と評価

FISH AIは、創業1年で時価総額1,800億円に達し、ユニコーン企業となりました。この企業は、複数のAIモデルを掛け合わせて高性能なAIモデルを短期間で開発する進化的マルチモデルアプローチを採用しています。この技術は、OpenAIやGoogleを超える潜在能力があると評価されています。

資金調達と今後の展望

FISH AIは、アメリカのベンチャーキャピタルから約200億円の資金調達を受け、現在の資本と合わせて時価総額が1,800億円に達しました。この資金を活用して、さらなる技術開発と市場拡大を目指しています。

NVIDIAの時価総額世界1位達成

AI半導体市場でのシェア

NVIDIAは、1993年に設立され、AI半導体市場で80%のシェアを持つ企業です。近年、AI技術の進化に伴い、GPUの需要が

急増し、時価総額が世界1位となりました。NVIDIAは、次世代のGPU開発にも積極的に取り組んでいます。

今後の課題

しかし、NVIDIAには独占状態の疑いで規制される可能性があります。アメリカの司法省は、NVIDIAがGPUとソフトウェアをセットで販売することが競争を妨げていると調査しています。NVIDIAが今後も成長を続けるためには、この規制に対応する必要があります。

アメリカの3大レコード会社が音楽生成AIを提訴

訴訟の背景と主張

6月24日、アメリカの3大音楽レーベルであるソニー、ユニバーサル、ワーナーが、音楽生成AIサービスのスノーとユリオを著作権侵害で提訴しました。これらのサービスが、レーベルの楽曲を無断で学習し、その特徴を活かして音楽を生成していると主張しています。

今後の影響

この訴訟は、AI技術を活用する音楽業界にとって重要な判例となる可能性があります。AIによる楽曲生成がどこまで許容されるかが問われており、今後の音楽業界とAI技術の関係に大きな影響を与えるでしょう。

6月第3週と第4週のAIニュースは、技術の進化と新機能の発表が目立ちました。特に、クロード3.5ソネットやOpenAIのChatGPT、Runwayの動画生成AI「Gen-2」など、多くの革新的な技術が発表されました。


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