「無意識のうちにやっていること」が支えてくれるものもある
「え、なんでそんなことできるの!?」
突然驚かれたので、こちらが逆にビックリしてしまった。
友人が指さしていたのは、私の脚。
そのときの自分はしゃがんだ体勢で、手元の漫画に夢中になっていたのだった。和式便所にまたがるときの姿勢(汚くてすみません)。
友人いわく、普通ならそもそもしゃがむことができない、何なら後ろに転がってしまうらしい。そして、仮にしゃがめたとしても、かかとが床から浮いてしまうはずだと。
えええホントかよ、と言いながら、別の友人も続々と和式便所座りにトライする。
そして彼らが漏れなくゴロンゴロンと後ろに転がるのを見つめながら、私は「しゃがんだ体勢をいくらでもキープできる」という、思いがけない特技を見つけてしまったのだった。
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しゃがむときに必要なもの。
それは、柔らかい足首らしい。
足首が前に向かって弓のようにしなると、足裏全体が自分の体重をまっすぐ支えてくれるというのだ。
けれど、実はとくにストレッチをしているわけではない。
私がやっていたのは、時折しゃがんだまま本を読み耽ること。それも、時間を忘れ、足が痺れるくらい長い間。
・・・・・
無意識のうちにやっていたことが、私の身体の一部を柔軟に保ってくれていた。
きっとそんなものが、他にもあるのだろう。
ただ、気づいていないだけで。
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