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50歳を過ぎた私が有酸素運動を頑張っても痩せなかった理由の話し

これはまだ薬膳での食事コントロールダイエットに目覚める少し前の話しです。

今から2年くらい前、「痩せるために何か運動をしよう!有酸素運動を頑張れば痩せるはず!」と思い購入したのがこの写真の踏み台でした。

運動すれば痩せるはず?


運動するなら毎日した方が早く効果が出るだろうと、毎朝の早朝ランニングにしようかなと思いました。

が、しかし雨が降ったりしたら外での運動は出来ませんからその日を境に億劫になってぶっつりと止めてしまうことが考えられます。

そこで! 
家の中でも手軽に出来る踏み台の上り下り運動を思いつきました。
だからこれを買いました。

2、30分も一生懸命やれば結構な運動量になるはずです。
だからきっと痩せられるはず!

だって私は20代前半の若い頃、仕事が終わった後に週に3回くらい会社内のスポーツジム施設に行って20分ランニングマシーンで頑張って走ってたら体重5~6kg落とせたんだもん。

あの時は頑張れば頑張るほど体重が落ちて身体がすっごく軽くて動くのもスイスイ楽になったなぁ~

疲れるけれど有酸素運動すれば脂肪が燃焼してきっとスルスルと痩せるはず!

努力はちゃんと実るはず、頑張らなくちゃ~と始めた毎朝20分の踏み台昇降の有酸素運動でした。

家の中で手軽にできるし我ながらとても良いアイデアだと思いました。

が、どうしたことでしょう。

何と一ヶ月ちゃんと毎日やっていても体重は減る気配がまるで見られなかったのです。

体を動かしやすい初夏の頃に始めたので毎回汗はボタボタ垂らしてゼーゼーハァハァとすごくすごく疲れていたのにです。

さて、これは一体どうしてでしょうか???

これは実は「腎」の臓器と加齢が関わっていることなのです。

腎の衰えと過剰な気の消耗が脾臓の消化力低下を招く

中医学では「腎」はアンチエイジングに関わる臓器で生命力の源の「腎精」を蔵しています。

この腎精は体を温める「腎陽」と、そして体を潤わせる「腎陰」の二つに分けられます。

この二つ、どちらも残念ながらこの世に枯れない花はないように加齢とともにどうしても減ってきてしまいます。

腎陽と腎陰

そして、運動を頑張って気を消耗し過ぎると「気虚」と言う状態になります。

「気」にはいくつかの働きがありますが、その中でも「温煦作用」と言って体温を維持したり内蔵を温める働きがあります。

また「気化作用」といって食べたものを気・血・津液の体に必要な栄養素に変える言わば「痩せる力」のような働きもあります。

疲れて気虚が進むとこの温煦作用や気化作用は落ちてしまいます。

気の働き

そして、内蔵を温める働きや栄養に変える働きが落ちると当然食べたものを消化吸収する臓器の脾が働きにくくなってきます。

脾は温まっていないと消化吸収力が発揮できない臓器なのです。

脾の消化吸収力が落ちて消化しきれなかったものは「湿」となって水太りのもととなって体に残ります。

脾の消化のしくみ

そこで冷えた脾の応援に来て脾を温めるのが腎の「腎陽」なのです。

しかしです、、、

悲しいかな若かった20代の頃と、その一方で臓している腎陽が少なくなってしまっている今の50代の私とでは脾を温めて消化力する力も当然違い格段に落ちていますから若い頃と変わらない量を食べれば太りやすくなるのは当然ということになります。

また、腎は冷えや過労に弱い臓器で、冷やしたり過労で疲れて気をたくさん消耗したり寝るべき時間に寝ていないなどの睡眠不足で休養が不足していると、腎精の減り方を加速させてしまいます。
(ちなみに腎精が尽きる時が命が終わる時)

ですので今後大きく体調を崩さず元気と若さを保つためにも、ある程度の年齢に来たら体を労わって若い頃と同じような疲れすぎる運動やハードな肉体労働は避けるべきなのです。

年齢相応の運動方法、ダイエット法で

若い頃は運動で疲れて気虚になって脾の消化力が落ちても腎陽の助けのパワーも強く、すぐに脾の消化力も回復していたわけなのですが、腎陽の助けが少なくなった今ではもうそれは望めません。

ハードな運動を頑張って痩せるお年頃はもうとっくのとうに過ぎており、だから私は毎朝とても疲れる運動を頑張っても痩せられなかったというわけなのでした。

それなのに「痩せないのは頑張りが足りないからだ!」とまだまだ更に疲れすぎる運動を頑張り続ければ、ますます腎を弱めてしまい、臓器を冷やし痩せにくくなるという悪循環のサイクルに陥って行ったことでしょう。

全ての運動を全否定するのではなく、やめた方が良いのは疲労度が高い運動です。

適度なストレッチやごくごく軽い筋トレに緩いヨガや歩いて適度に汗をかくことなどは全身の気を巡らせ代謝を良くするためにもとても良いことです。

無理に頑張りすぎれば気を消耗しすぎて腎も弱めて痩せにくくなるだけではなく、運動で筋肉を酷使するため今度は血の消耗が激しくなり筋を痛めたりなどの心配も出てきます。

年齢相応のダイエット法と適した運動で上手にスリムになる方法を選ぶことがおすすめです。

頑張り屋さんほど成果が芳しくないと「まだまだダメだ!努力が足りない!」と自分を追い込んで自分を酷使して弱らせてしまう方向に行きがちなので、注意が必要ですね。

年齢を重ねても、疲れるハードな運動はせずに薬膳の基本ルールに沿った食事の摂り方の改善でダイエット効果を大きく発揮することは充分可能なのです。

もし年齢を重ねたミドル世代で、日々のハードな運動や重労働と気を補う食材の穀類や芋類などの炭水化物を排除した食事メニューで体重減少に大きく成功したという人がいたとしましょう。

しかしそれは体に蓄積した不必要な老廃物をデトックスした結果の健康的なダイエット成功ではなくて、生命維持に必要不可欠な「腎精」を大きく損なって命の源を削って体を衰弱させてしまった結果である可能性が高いです。

今ではこの踏み台、本当の単なる高い所に登る時だけの「踏み台」として部屋の隅に鎮座しています。

まとめ・年齢を重ねると運動しても痩せにくくなる理由

その1・腎の力が加齢とともに落ちて温まっていないと食べ物を消化できない脾を温める力が落ち太りやすくなる。

その2・腎は過労や休養不足で力の落ち方が加速する。気を過剰に消耗し自分を酷使する過剰な運動は腎(腎陽虚)も気も消耗して(気虚・脾気虚)痩せる力(温煦作用・気化作用)を失わせる。


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