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アイドルマスターシャイニーカラーズに、出会ってしまったかもしれない。

長年オタクをやっていると、ある種の勘のようなものが身につく。

「このコンテンツに手を出すと時間もお金も溶ける」

ある程度好きなコンテンツが固定化された後、そのような直感が働いたコンテンツからの情報は意識的に遮断されるのが普通だ。

なぜなら、我々は身体も財布も一つしか持っていない。当たり前だ。毎月天井をいくつものゲームで引ける人間がどれだけいると思っている。数多くのコンテンツを追おうとすると、必然的に一つ一つに対する時間、お金のかけ方は薄まっていくのだ。そしてオタク界では深海に鎮座するかのごとくそのコンテンツを知り尽くした人が尊敬される傾向が少なからずある。だからみんな、できるだけ自分の時間とお金の可能な範囲で"好き"を追及している。

しかし、コンテンツ側も容赦はない。

ソシャゲであればガシャ無料キャンペーン、今の時期ならどんなコンテンツでも無料配信。

ハマらせるために手段は選ばない、まさにコンテンツ戦国時代だ。

僕はそんなコンテンツ戦争から一足先に抜け出し、ナナシスとエビストという二つののんびりコンテンツを眺めているだけの人間だった。

はずなのに。


「知りたい。」


こんなに純粋に好奇心をそそられるコンテンツがあったのか、と思わされてしまう出会いがあった。

そう、それこそがアイドルマスターシャイニーカラーズなのである。

本作(シャニマスと呼ぶ)までの僕のアイマスゲーム遍歴は以下の通りだ。

◆アイドルマスターミリオンライブ!(GREE版)をサービス開始から終了までプレイ、ミリシタは。。。

◆アイドルマスターシンデレラガールズのゲームはちょこちょこ触っていた時期あり、ポチポチゲーのが好きです

今回、以前ひょんなことからシャニマスのゲームだけは始めており、以前にもあった10連ガシャ無料期間にガシャを引いて、1-2回プロデュースをして、大会の最初あたりで負けてしまい、放置、みたいなことを繰り返していた。

さて、そんな僕は先日からサマーキャンペーンということで開催されている無料10連ガシャに飛んで火にいる夏の虫のごとく引き寄せられた。

ガシャを引いているときって、良くない脳内麻薬が出るよね。

そしてとくにめぼしいカードも引けなかった僕は、毎度のごとくちょっとだけ遊ぼうと思い立ち、持っているカードを見て一番レア度の高い(おそらく以前の無料期間で手に入れた)カードを選んだのであった。

(2020.07.24 11:00 追記 無料10連では出ないので、無償ジュエルで手に入れてたようです)

それがこれである。

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【NOT≠EQUAL】 三峰結華

この時の僕はまだ知らない。

これが修羅の道であることを。


※ここからは容赦ないネタバレが含まれます。見たくない人はスキだけ押しておいてください。ジョークです。

※あとこれは考察ではなく、個人的な感想です。






さて。

シャニマスのプロデュースのメインの遊び方は、期間内にレッスンやお仕事を繰り返してファン人数を増やし、「W.I.N.G」という大会をクリアすることにあるらしい。そして、その過程で、デッキに組み込んだカードに応じたイベントが発生するようだ。なるほど、推しのイベントを見るためには推しのカードを手に入れないといけない。これまでのアイドルマスターのソシャゲでも同じ構図だった。

プロデュースに慣れない僕でも、左上のカードアイコンとタイトルで「ああ、このカードのイベントなんだな」というのは分かる。

さて、話はこの三峰という女の子を雨の中でスカウトするところから始まる。

そして少しプレイした後に発生したこのカード特有のイベント、最初の出だしはこのセリフだった。

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いきなり不穏すぎる。

いや、最高レア度のカードのイベントであること、普段のこの三峰という子の服装、いでたちとかなり違うカード絵柄であることから、ある程度この子(以下三峰)を掘り下げるイベントがあるんだろうなという予想はしていた。しかしいきなり「私はどう見えてるの?」みたいなノリで来ると思っておらず、面食らってしまったのが正直なところだ。続けて見ていく。

この普段のいでたちと異なる様子に、主人公(プロデューサー)は「なんか、結華じゃないみたいだな」と、どちらかというとよくあるセリフを投げかける。眼鏡キャラが眼鏡をはずしているんだ、そりゃそうだ。

しかし、ここでの三峰の反応は全く異質のものだった。

「怖い」と思うのである。

まず、ここで僕は物語が既定路線から外れたことに強く惹かれた。

「なんで怖いと思ったんだろう?」

純粋に気になる。読み進めたい。その気持ちからゲームを進めていく。


ここから三峰は絶不調に陥る。
2回目のイベントでは主人公に対して「自分で解決するので、少し待ってほしい」と言いつつ、以下のお願いをする。

これが第2の衝撃だった。

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マジか。

プロデューサーがアイドルを下の名前で呼ぶのは割とこのシリーズでは定番だと思っていたのだが、そこから一歩下がるのか。

それほどに距離を取りたがるこのセリフを受けた僕は、正直言ってたいそう辛くなった。
これは好きな女の子に「ごめん、別の人と付き合うことになったんだ。」と言われたときの辛さに似ている。明日からは名字で呼ばないといけなくなるアレだ。自分が振られているわけでもないのに、苦しくなる。

3回目のイベント、冒頭で自問自答をする三峰。

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なるほど、アイドルとして主人公の隣にいるはずが、そう見えないような振る舞いをしてしまっていたのではないか?との悩みがあるのかと分かる。その"振る舞い"についてはどうやら他のカードのイベントなどを読んでいかないと分かりそうもないが、それってつまりは別の形で主人公の隣にいる振る舞いをしてしまっているということで、別の形とは・・・????

これ以上は解釈違いを起こしそうになるのでやめておこう。僕は松田亜利沙と同じクラスで実はこっそりライブも行ったことあるので普段の顔もアイドルの顔も知ってるしなんならかなり気になっているけどそんな話は間違っても本人にできないよな、となる奥手な男子という思い込みを持ったままアイドルマスターミリオンライブ!をプレイした人間なので。

話を戻そう。

雨の中、主人公は三峰を見つけ出す。

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プロデューサーとしては当たり前の発言だけれど、最初の自問自答を通してこのセリフを見ると、なんだか切なくなる。

このセリフを受けて、「通常営業に戻ります!」と宣言する三峰。

肝心の通常営業をろくに知らないままこのカードのイベントを見ている気がするが、なんとなく想像もつく。ユニットのアイドルとしての自分。そこにまた舞い戻っていくのだろう。

最後のイベント。

三峰は「デート」とさらりと主人公をからかい、主人公は素直にその関係性が戻ったことを喜ぶ。

が、アイドルがそのようにからかうとき、アイドルマスターの主人公はいつも、悲しいほどにプロデューサーだと感じる。
もちろん、そうあるのが作品としては正しいのだろう。

そして三峰はファンの女の子に告げる。

プロデューサーは大事なパートナーなのだと。

アイドル・三峰結華として、隣に立っているのだということを。


と、ここまでが本編だった。
なるほど、最終的に立ち位置は元の三峰に戻りつつも、心の中では大きな変化があったというストーリーなのか。

しかしどうやらこのゲーム、True endというものが存在するらしい。

ファンをたくさん集めて、「W.I.N.G」で優勝すればよいらしく、友人の知恵も借りつつ、なんとかクリアできた。

すると、True end用のイベントが発生するという仕組みで、最後にミニイベントが挟まった。

熱が出て休みの連絡を入れた結華をお見舞いに行く主人公。
すぐに帰ろうとするが、三峰はもう少しだけおしゃべりをしたい、と引き留める。

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ここではアイドル・三峰結華のアイドルらしくない場面が登場する。
これが通常営業なのかな?と思ったけど、どうやらそうじゃなさそうだ。

ここから先は、推測では書きたくないので、他のカードのイベントを読んでみて、いろいろ考えてみよう。

しかも、このクオリティのストーリーが実装されているということは、きっと他のアイドルについても、細かく掘り下げるストーリーが用意されていたり、今後実装されるかもしれない。それもとても読んでみたい。


ん?


他のカードのイベントを読んでみたいと思っている自分が、いる・・・?


何なら、他のアイドルも知ってみたいと思っている自分が、いる・・・?


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出会ってしまったかもしれない、とんでもない推しに・・・


あとで友人にこの話をしたら「なんでそのカードから入ったのか」「それは三峰純文学だよ」などと真顔で言われました。


ここから先は蛇足。

もともと僕は、「アイドルは、アイドルじゃなくてもいい」世界線でずっと女の子たちの生き様を見てきている。それは必ずしもアイドルだから、という話ではなく、一人の人間の、誰しもが持っている物語だった。今回、改めてアイドルがアイドルとしての自分の在り方に悩むという話を見て、どこかその考え方を重ね合わせてしまったことが、今回のシャニマスへの好奇心、および怪文書生成の要因かもしれない。

また、一般的に関係性が重視されるアイドルマスターのソシャゲにおいて、シャニマスは少し毛色が異なるというのを感じている。具体的には、「本筋」が感じられるという点だ。個人的な感想だが。その辺は最近読んだ以下のFGOの話もあって、これもシャニマスやってみるか、の一端になっている。


久々に長文を書いた。文章構成力の衰えを強く感じた日だ。
しかし、思うがままに筆を(キーボードを)走らせている時間はやっぱり楽しい。今後も不定期ではあるが更新していきたいと思っている。

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