#日曜劇場と日曜10時半枠 それは老舗とベンチャー

昨日は、「シロクロ」について書いた。

今日はその放送枠、#日曜10時半枠 について語りたい。

このドラマ枠は、比較的新しい枠。調べてみたら2015年4月期からとのこと。まる五年が経ったわけですね。

そもそも日曜の夜は、TBSの牙城なわけです。「日曜劇場」というTBSドラマ班が毎回毎回力いれまくりの伝統のドラマ枠があるわけです。

ドラマ史、史上最高視聴率をたたきだした「ビューティフルライフ」もこの枠でした。キムタクと常盤貴子さんのあれですね。

日曜の夜ってのは、サザエさんシンドロームで鬱々としたサラリーマンがテレビをじーーーーーっと見てるわけです。

ああ会社やだな、行きたくないな、上司に会いたくないな、後輩に突き上げられたくないな、やだなやだな、と思いながら。

だから、重厚長大な企業にたった一人で立ち向かう不器用だけど人情味にあふれまくる、阿部さんとか堺さんとか大泉さんとか役所さんとか長谷川さんが、ロケット作ったり、足袋つくったり、ラグビー部復活させたりするお話が、サラリーマンたちの心にビシビシ響いて、支持を集めるわけです。

もしくは戦争ものとかもここ。最近は多くはありませんが、こちらもターゲット層はやはり、わりと心がおじさんモードの企業戦士たちな気がします。逃れようのない貧困・差別という敵と戦う姿に自分を重ねてしまうのでしょう。

さてさて、そんな老舗枠の日曜劇場の「ウラ」にあたるのが、この日曜10時半枠。

こちらは、おじさんが重厚長大な敵とは戦いません。

むしろ、瑞々しさを武器に、時の若手俳優が「主役をはる」、といった枠だと思ってます。窪田くんのデスノート、3年A組の菅田くん、今日から俺はの賀来くん、視覚探偵の桃李くん、フランケンだった綾野くん、キスしまくってた山崎賢人くん、など。

「主役をはる」感じは、ただ主演なだけではなく、少女漫画を実写化した時のイケメン好青年役として出るのではなく、少し難しめの脚本・ストーリー・設定に挑戦している印象をもってます。

結果として、走り切れば、その俳優の代表作になっていく感じがあります。

だけど、逆にちょい難しかったりするので、初回ですでに置いていかれそうになる。フランケンとかフランケンとか。

ただ、結局この「時の若手俳優」×「難しめの脚本・設定」が話題性をうむわけです。しかも、日テレがhuluを買収した時期とも重なるので、追っかけ視聴がしやすい環境も整っていた。

日曜劇場を見たがる親からチャンネル権は奪えなくても、ちょうど盛り上がる後半30分は見れるってのもいいポイント。

「あな番」は話題性という点においては大成功だったでしょう。西野七瀬はまったく脱皮できていなかったけれど。

日曜10時半枠は、話題作りに命をかけて生き残りをはかるドラマ界のベンチャーなのである。日テレの努力と狡猾さを毎回感じます。

老舗もベンチャーも4月期の次回作は何だったかな。どちらも期待。



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